重要度:A 論点:転貸借と債務不履行解除
問2:AはBに建物を賃貸し、BはAの承諾を得てCに転貸していたが、Bの賃料不払を理由にAはAB間の賃貸借契約を解除した。判例によれば、AはCに対して建物の明渡しを請求できるか。また、BC間の転貸借契約はどの時点でどのような理由により終了するか。40字程度で記述しなさい。
【解答例と採点基準】
解答例(40字):
請求でき、転貸借は、原則としてAのCに対する返還請求時に履行不能により終了する。
採点基準(20点満点):
①明渡しを請求できること…5点/②転貸借は原則として終了するとの限定…2点/③AがCに返還又は明渡しを請求した時に終了すること…7点/④履行不能により終了すること…6点。終了時点を「原賃貸借の解除時」とするものは③0点。「原則として」を欠く場合は②0点。合意解除との対比に触れても加点・減点しない。
解説:
民法613条3項は、適法な転貸がある場合、賃貸人と賃借人の合意解除を原則として転借人に対抗できないとしつつ、解除当時に賃借人の債務不履行による解除権があった場合を例外とする。最判平9.2.25は、賃貸借が賃借人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に目的物の返還を請求した時に、転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了すると判示した。したがって、AはCに建物の明渡しを請求できる。
【択一連結】択一側では債権各論(契約)応用Q7が613条3項(合意解除の対抗不可と債務不履行解除の例外)を扱い、本問の債務不履行解除による転貸借の終了時期(最判平9.2.25)と対をなす。合意解除/債務不履行解除の帰結の違いを書き分けられるようにすること。
関連過去問:H21,問33(択一関連)
