重要度:A 論点:無断転貸と背信行為理論
問6:建物の賃借人Bは、賃貸人Aの承諾を得ず、建物の一部を親族Cに転貸して独立に使用収益させていた。Aは民法612条2項に基づき賃貸借契約を解除したいと考えているが、判例によれば、Aの解除が認められないのはどのような場合か。40字程度で記述しなさい。
【解答例と採点基準】
解答例(41字):
無断転貸が、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情がある場合である。
採点基準(20点満点):
①背信的行為と認めるに足りないこと…10点(「信頼関係を破壊しない」とする同趣旨の表現も同等に評価)/②特段の事情がある場合であること…6点/③その場合には解除権が発生しない又は解除できないことが読み取れる構成…4点。親族関係だけを理由として解除できないとする答案は満点としない。
解説:
民法612条2項は、賃借人が賃貸人の承諾なく第三者に賃借物を使用収益させた場合を解除原因とする。しかし、最判昭28.9.25は、賃借人の行為が賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情がある場合には、同項による解除権は発生しないと判示した。解答では、この判例の判断枠組みを示す必要がある。「背信行為理論」や「信頼関係破壊の法理」は学説上・実務上の整理名称であり、判決の判示文言と区別する。
【択一連結】択一側では債権各論(契約)応用Q7で背信行為理論(最判昭28.9.25・612条2項)を肢として判別する。特段の事情の主張立証責任が賃借人側にあること(最判昭41.1.27)もあわせて確認すること。
関連過去問:H20,問45(記述)
