問3:法の解釈に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- A:文理解釈とは、法の趣旨・目的や法体系との整合性を重視して条文の意味を明らかにする解釈方法をいう。
- B:反対解釈とは、明文の規定がない事項について、類似の事項に関する規定の趣旨を及ぼす解釈方法をいう。
- C:縮小解釈とは、条文の文言を通常の意味よりも広げて解釈する方法をいう。
- D:刑罰法規について、被告人に不利な方向で類推解釈を行うことは、罪刑法定主義の観点から許されないと解されている。
- E:準用とは、明文の規定がない場合に、解釈によって類似の規定を他の事項に当てはめることをいう。
【第3問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】
妥当でない。本肢の説明は論理解釈のものである。文理解釈は条文の文言・語義に忠実に意味を明らかにする解釈方法をいう。
・B
【選択肢解説】
妥当でない。本肢の説明は類推解釈のものである。反対解釈とは、ある場合について特定の取扱いが明記されていることから、法令の趣旨上、それ以外の場合には反対の取扱いをする趣旨であると解釈する方法をいう。単に明文の規定がないというだけで、当然に反対の結論が導かれるものではない。
・C
【選択肢解説】
妥当でない。本肢の説明は拡張解釈のものである。縮小解釈は条文の文言を通常の意味よりも狭く解釈する方法をいう。
・D
【論点】
法解釈の諸方法(文理解釈・論理解釈・拡張解釈・縮小解釈・類推解釈・反対解釈)と罪刑法定主義
【考え方】
類推解釈は、明文の規定がない事項に類似する規定の趣旨を及ぼす解釈方法である。刑罰法規について被告人に不利益な類推解釈を認めると、法律に明記されていない行為を処罰することになり、罪刑法定主義(憲法31条参照)に反する。そのため、刑罰法規を被告人に不利益な方向へ類推解釈することは許されない。
【選択肢解説】
本肢は、罪刑法定主義から導かれる不利益類推の禁止を正しく述べており、妥当である。
・E
【選択肢解説】
妥当でない。本肢の説明は類推適用のものである。準用は「〜の規定は…について準用する」という明文の準用規定に基づき、必要な読み替えをして規定を当てはめることをいう。
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問4:法令の形式および効力に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア 憲法は国の最高法規であり、その条規に反する法律・命令等は効力を有しない。
イ 命令とは、国会が法律の委任に基づいて制定する法形式をいう。
ウ 条例は、地方公共団体が法律の範囲内で制定することができる。
エ 法律は公布によって直ちに現実の効力を生じるため、公布とは別に施行という観念を認める必要はない。
オ 法律に施行期日の定めがない場合、その法律は公布の日から起算して20日を経過した日から施行される。
- A:ア・イ・ウ
- B:ア・ウ・オ
- C:イ・ウ・オ
- D:ア・エ・オ
- E:ウ・エ・オ
【第4問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】
本肢はイを含む点で妥当でない。イ:命令は内閣(政令)や各省大臣(省令)など行政機関が制定する法形式であり、国会が制定するのは法律である。
・B
【論点】
法令の形式(憲法・法律・命令・条例)と効力発生(公布・施行)
【考え方】
ア:憲法98条1項が定める最高法規性の内容であり、妥当。
イ:命令は内閣が制定する政令や各省大臣が制定する省令など、行政機関が制定する法形式である。国会が制定するのは法律であるため、妥当でない。
ウ:憲法94条により、地方公共団体は法律の範囲内で条例を制定することができるため、妥当。
エ:公布は成立した法令を国民に公示する行為であり、施行は法令が現実に効力を生じ始めることである。両者は区別されるため、妥当でない。
オ:法の適用に関する通則法2条は、法律に異なる施行期日の定めがない場合、法律は公布の日から起算して20日を経過した日から施行すると定めており、妥当。
【選択肢解説】
妥当なものはア・ウ・オであり、本肢が正解である。
・C
【選択肢解説】
本肢はイを含む点で妥当でない。イ:命令の制定主体は行政機関であり、国会ではない。
・D
【選択肢解説】
本肢はエを含む点で妥当でない。エ:公布と施行は区別される観念であり、公布された法令が現実に効力を生じるのは施行によってである。
・E
【選択肢解説】
本肢はエを含む点で妥当でない(ウ・オは妥当)。エ:公布によって直ちに効力が生じるわけではなく、施行により効力が発動する。
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