問5:次の法令の規定例における用語の使い方に関する記述のうち、妥当なものはどれか。
〔規定例1〕「国は、新たな法律の制定又は既存の法律の改正若しくは廃止を検討する。」
〔規定例2〕「国及び地方公共団体並びに事業者は、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」
- A:規定例1では、「新たな法律の制定」と「既存の法律の改正・廃止」のグループとが、「又は」により大きな選択の関係で結ばれている。
- B:規定例1では、「新たな法律の制定・既存の法律の改正」のグループと「既存の法律の廃止」とが、「又は」により大きな選択の関係で結ばれている。
- C:規定例2では、「国」と「地方公共団体・事業者」のグループとが、「並びに」により大きな接続の関係で結ばれている。
- D:規定例1の「又は」と「若しくは」は、いずれを用いても法文の構造に影響しない単純な言い換えである。
- E:規定例2の「及び」は大きな接続を、「並びに」は小さな接続を示している。
【第5問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】
選択的接続(又は・若しくは)と併合的接続(及び・並びに)の構造の読解
【考え方】
選択に段階がある場合、最も大きな選択的接続には「又は」を用い、その内部にある小さな選択的接続には「若しくは」を用いる。規定例1では、「既存の法律の改正若しくは廃止」が小さな選択のグループを構成し、これと「新たな法律の制定」が「又は」により大きな選択関係で結ばれている。新たな法律を作るのか、既存の法律を処理(改正・廃止)するのかという実質にも合致する読み方である。
【選択肢解説】
本肢は規定例1の構造を正しく読解しており、妥当である。
・B
【選択肢解説】
妥当でない。「若しくは」で結ばれているのは「改正」と「廃止」であり、「既存の法律の改正若しくは廃止」が小さな選択のグループを構成する。「制定」と「改正」が一つのグループになるわけではない。
・C
【選択肢解説】
妥当でない。「及び」で結ばれるのは小さな接続であるため、「国及び地方公共団体」が一つのグループを構成し、これと「事業者」が「並びに」により大きな接続の関係で結ばれている。
・D
【選択肢解説】
妥当でない。「又は」と「若しくは」は、選択関係の大小を示すために使い分けられるものであり、任意に置き換えられるものではない。
・E
【選択肢解説】
妥当でない。大小の関係が逆である。「及び」は小さな接続に、「並びに」は大きな接続に用いられる。
関連過去問:H26,問2
問6:法の効力および適用に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- A:法律は、公布された日から直ちに効力を生じ、施行期日を別に定めることはできない。
- B:後に制定された一般法は、先に制定された特別法に常に優先する。
- C:罪刑法定主義の要請から、刑罰法規を被告人に不利益な方向へ類推解釈することは許されない。
- D:条例は法律の下位にあるため、法律より厳しい規制を定める条例は常に無効である。
- E:慣習は、法令の規定により認められたものであっても、法としての効力を有することはない。
【第6問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】
妥当でない。法律は公布とは別に施行期日を定めるのが通常であり(附則で規定)、公布日と施行日は区別される。
・B
【選択肢解説】
妥当でない。後に制定された一般法が、先に制定された特別法に常に優先するわけではない。一般に、同じ事項について一般法と特別法が競合する場合は特別法が優先するが、後の一般法が先の特別法を変更または廃止する趣旨を有するかは、両法の文言、目的、適用対象および制定経緯などを踏まえて判断される。
・C
【論点】
罪刑法定主義と被告人に不利益な類推解釈の禁止
【考え方】
刑罰法規について被告人に不利益な類推解釈を認めると、法律に明記されていない行為を処罰することになり、国民の予測可能性を害する。そのため、罪刑法定主義の要請から、刑罰法規を被告人に不利益な方向へ類推解釈することは許されない。これに対し、民事法では、明文の規定がない事項に類似する規定を類推適用することがある。
【選択肢解説】
本肢は妥当である。
・D
【選択肢解説】
妥当でない。条例が法律より厳しい規制を定めているという理由だけで、直ちに無効となるわけではない。判例(徳島市公安条例事件・最大判昭和50年9月10日)の基準により、法律と条例の目的、対象、規制内容および効果を比較し、国の法令が全国一律に同一内容の規制を施す趣旨で条例による規制を排斥しているか、両者が矛盾抵触するかを判断する必要がある。
・E
【選択肢解説】
妥当でない。法令の規定により認められた慣習又は法令に規定のない事項に関する慣習は、法律と同一の効力を有する(法の適用に関する通則法3条)。
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