問3:裁判の公開および裁判員制度に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- A:裁判の判決は、裁判官の全員一致で公の秩序を害するおそれがあると決した場合には、公開しないで行うことができる。
- B:政治犯罪に関する事件の対審は、裁判官の全員一致があれば、公開しないで行うことができる。
- C:裁判員制度の対象には、刑事事件のほか、一定の重大な民事事件も含まれる。
- D:裁判員裁判は、原則として裁判官3名と裁判員6名の合議体で行われ、裁判員は事実認定・法令の適用のほか量刑にも関与する。
- E:裁判員裁判は、地方裁判所の第一審のほか、高等裁判所における控訴審でも行われる。
【第3問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】
妥当でない。非公開とする余地があるのは対審のみであり、判決はいかなる場合も常に公開しなければならない(憲法82条)。
・B
【選択肢解説】
妥当でない。政治犯罪、出版に関する犯罪または憲法第三章で保障する国民の権利が問題となっている事件の対審は、裁判官の全員一致があっても非公開にすることができず、常に公開しなければならない。また、判決はすべての事件で常に公開しなければならない。
・C
【選択肢解説】
妥当でない。裁判員制度の対象は殺人など一定の重大な刑事事件に限られ、民事事件は含まれない。
・D
【論点】
裁判員制度の構成と権限
【考え方】
裁判員裁判は一定の重大事件の刑事第一審(地方裁判所)で行われ、原則として裁判官3名・裁判員6名の合議体で構成される。裁判員は事実認定・法令の適用・量刑の判断に関与するが、法令の解釈や訴訟手続上の判断は裁判官のみが行う。
【選択肢解説】
本肢は構成と権限を正しく述べており、妥当である。
・E
【選択肢解説】
妥当でない。裁判員裁判が行われるのは地方裁判所における第一審のみであり、控訴審は裁判官のみで行われる。
関連過去問:R7,問2
問4:民事上の紛争解決手続に関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア 少額訴訟は60万円以下の金銭の支払請求を対象とし、その判決に対する不服申立ては同じ簡易裁判所への異議に限られる。
イ 支払督促は、債権者の申立てに基づき、地方裁判所の裁判官が発する。
ウ 仲裁における仲裁判断は、当事者間において確定判決と同一の効力を有する。
エ 調停は、当事者双方の合意がなくても、調停委員会の判断により成立させることができる。
オ 裁判上の和解が調書に記載されたときは、その記載は確定判決と同一の効力を有する。
- A:ア・イ・ウ
- B:ア・ウ・エ
- C:ア・ウ・オ
- D:イ・ウ・オ
- E:ウ・エ・オ
【第4問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】
本肢はイを含む点で妥当でない。イ:支払督促を発するのは簡易裁判所の裁判所書記官であり、地方裁判所の裁判官ではない。
・B
【選択肢解説】
本肢はエを含む点で妥当でない。通常の調停が成立するためには当事者双方の合意が必要であり、調停委員会の判断だけで調停そのものを成立させることはできない。ただし、民事調停法上の調停に代わる決定など、通常の合意による調停成立とは異なる法定の制度がある。
・C
【論点】
裁判外・簡易な紛争解決手続の比較(少額訴訟・支払督促・仲裁・調停・和解)
【考え方】
ア:少額訴訟は60万円以下の金銭支払請求を対象とし、その判決に対して控訴はできず、同じ簡易裁判所への異議申立てが認められるため、妥当。
イ:支払督促を発するのは、債務者の住所地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官であり、地方裁判所の裁判官ではないため、妥当でない。
ウ:仲裁判断は当事者間において確定判決と同一の効力を有するため、妥当。ただし、仲裁判断に基づく強制執行には、原則として裁判所の執行決定が必要である(2026年4月1日時点の仲裁法45条ただし書・46条)。
エ:通常の調停は当事者双方の合意によって成立するため、調停委員会の判断だけで調停を成立させることはできず、妥当でない。ただし、調停に代わる決定などの法定制度は別である。
オ:裁判上の和解が調書に記載されたときは、その記載は確定判決と同一の効力を有するため、妥当。
【選択肢解説】
妥当なものはア・ウ・オであり、本肢が正解である。
・D
【選択肢解説】
本肢はイを含む点で妥当でない。イ:支払督促の発付主体は簡易裁判所の裁判所書記官である。
・E
【選択肢解説】
本肢はエを含む点で妥当でない。通常の調停は当事者双方の合意によって成立する手続であり、調停委員会の判断だけで調停そのものを成立させることはできない。仲裁は、事前の仲裁合意に基づいて仲裁人の判断により紛争を解決する制度である。なお、民事調停法上の調停に代わる決定などは、通常の調停成立とは異なる制度である。
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