行政書士 基礎法学 初級編(1〜3問)|裁判制度

重要度:A 論点:裁判所の種類と特別裁判所

問1:日本の裁判所制度に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:家庭裁判所は家庭事件のみを扱う特別裁判所であり、憲法76条2項との関係が問題となる
  • B:家庭裁判所は最高裁判所を頂点とする通常裁判所の系列に属しており、憲法の禁止する特別裁判所にはあたらない
  • C:下級裁判所は高等裁判所・地方裁判所・簡易裁判所の3種類である
【第1問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。家庭裁判所は、最高裁判所を頂点とする通常裁判所の系列に属する下級裁判所であり、憲法76条2項が禁止する特別裁判所にはあたらない。また、家庭裁判所は家事事件だけでなく少年事件も扱うため、「家庭事件のみを扱う」という点も誤りである。
・B:適切。憲法76条2項が禁止する特別裁判所とは、通常裁判所の系列から独立した裁判機関(例:明治憲法下の軍法会議)をいう。【試験対策】「特定の事件だけ扱う=特別裁判所」ではない。系列から独立しているかどうかで判断する。
・C:不適切。下級裁判所は高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所の4種類である(裁判所法2条)。

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重要度:A 論点:行政機関による裁判

問2:憲法76条2項後段に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:行政機関は、終審としてであれば裁判を行うことができる
  • B:行政機関は、前審としても一切裁判を行うことができない
  • C:行政機関が前審として審判・裁決を行い、その後に裁判所へ出訴する途を設けることは許される
【第2問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。禁止されているのはまさに「終審として」裁判を行うことである。
・B:不適切。行政機関が前審として審判・裁決を行うことまで禁止されているわけではない。裁判所法3条2項は、行政機関が前審として審判することを妨げないと定めている。
・C:適切。憲法76条2項後段が禁止するのは、行政機関が「終審として裁判」を行うことである。行政機関が前審として審判・裁決を行い、その後に裁判所へ出訴する途が開かれている制度は許容される(裁判所法3条2項)。【試験対策】「行政機関による終審の裁判は不可・前審としての審判は可」と整理する。

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重要度:A 論点:控訴・上告・抗告

問3:裁判に対する不服申立て(上訴)に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:法令により認められた決定・命令に対する上訴を抗告といい、判決に対する控訴・上告とは区別される
  • B:第一審判決に対する上訴を上告といい、控訴審判決に対する上訴を控訴という
  • C:上告審では事実認定のやり直しが広く行われ、理由に制限はない
【第3問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。判決に対する上訴には控訴・上告があり、法令により不服申立てが認められた決定・命令に対する上訴を抗告という。ただし、すべての決定・命令に当然に抗告できるわけではなく、抗告の可否は法令の定めによる。【試験対策】「判決に対する控訴・上告/決定・命令に対する抗告」という基本的な対応関係を押さえる。
・B:不適切。名称が逆である。第一審判決への上訴が控訴、控訴審判決への上訴が上告である。
・C:不適切。上告審は原則として事実認定を全面的にやり直す審級ではなく、主として法令解釈や手続上の違法などの法律問題を審査する。具体的な上告理由や手続は、民事訴訟と刑事訴訟で異なる。

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