行政書士 憲法 応用編(3問)|財政・地方自治

問3:租税法律主義(憲法84条)に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

  • A:国民健康保険の保険料は、税ではないため、憲法84条の趣旨が及ぶ余地はない。
  • B:租税の賦課には法律の根拠が必要であるが、税率の変更は法律によらずに行うことができる。
  • C:通達の内容が法の正しい解釈に合致する場合であっても、従来非課税とされていた物品を通達を機縁として課税することは、租税法律主義に反し許されない。
  • D:市町村が行う国民健康保険の保険料には憲法84条は直接適用されないが、賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有するため、同条の趣旨が及ぶ。
  • E:地方公共団体は、法律の個別の授権がない限り、条例によって地方税を賦課徴収することができない。
【第3問:正解と解説】

正解:D

・A
【選択肢解説】
妥当でない。判例は84条の「趣旨が及ぶ」ことを認めており、「余地はない」は誤り。

・B
【選択肢解説】
妥当でない。84条は「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには」法律又は法律の定める条件によることを要求しており、税率の変更にも法律が必要である。

・C
【選択肢解説】
妥当でない。パチンコ球遊器事件(最判昭33.3.28)は、通達課税を「通達の内容が法の正しい解釈に合致するものである以上」適法とした。課税の根拠はあくまで法律であり、通達を機縁とすることは租税法律主義に反しない。

・D
【論点】旭川市国民健康保険条例事件(最大判平18.3.1)

【考え方】
保険料は反対給付(保険給付)があるため84条の「租税」に直接あたらないが、賦課徴収の強制の度合いに応じて84条の趣旨が及ぶ。当該事案では、条例が賦課要件をどの程度明確に定めるべきかは強制の度合いや性質を総合考慮して判断されるとし、保険料率の算定基準の定め方を合憲とした。

【選択肢解説】
本肢は妥当である。

・E
【選択肢解説】
妥当でない。判例(神奈川県臨時特例企業税事件参照)・通説は、地方公共団体の課税権は憲法上予定されており、地方税法の枠内で条例により賦課徴収できるとする(地方税法3条も条例主義を定める)。個別の授権を要するとまではされていない。

関連過去問:R7,問22


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