行政書士 民法 初級編(10〜12問)|担保物権

重要度:A 論点:根抵当権の基本

問10:根抵当権に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を、極度額の限度において担保する抵当権である
  • B:根抵当権の被担保債権の範囲は、債務者との間のあらゆる債権と定めることができる
  • C:元本確定前の根抵当権にも、普通抵当権と同様の付従性・随伴性が認められる
【第10問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。398条の2第1項の定義である。【試験対策】「一定の範囲・不特定・極度額」の3ワード。継続的取引から生じる債権群をまとめて担保する制度趣旨から理解する。
・B:不適切。包括根抵当は禁止されており、被担保債権の範囲は一定の種類の取引等に限定して定めなければならない(398条の2第2項)。
・C:不適切。元本確定前の根抵当権には付従性・随伴性がない。個別債権が弁済されても消滅せず、譲渡されても移転しない。

関連過去問:H28,問31


重要度:A 論点:被担保債権の範囲

問11:抵当権によって担保される債権の範囲に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:利息の優先弁済が制限される趣旨は、債務者を保護することにある
  • B:抵当権者は、元本のほか利息についても、年数の制限なく何年分でも後順位者に優先して弁済を受けることができる
  • C:抵当権者は、利息その他の定期金については、原則として満期となった最後の2年分についてのみ、抵当権を行使することができる
【第11問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。制限の趣旨は、後順位抵当権者や一般債権者が把握する担保余力(残余価値)を保護することにある。債務者保護ではない。
・B:不適切。満期となった最後の2年分に制限される(375条)。
・C:適切。375条1項である。【試験対策】「最後の2年分」の制限は後順位抵当権者等の第三者保護のためであり、後順位者等がいない場合には債務者との関係で全額の優先弁済が可能。趣旨から例外を導けるようにする。

関連過去問:H30,問30


重要度:B 論点:一括競売

問12:更地に抵当権が設定された後、設定者がその土地上に建物を築造した場合に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:抵当権者は、土地とともに建物を競売することができるが、優先弁済を受けられるのは土地の代価についてのみである
  • B:抵当権の効力は建物にも及ぶため、抵当権者は建物の代価からも優先弁済を受けることができる
  • C:この場合、建物のために法定地上権が成立する
【第12問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。一括競売(389条)である。【試験対策】「一括競売可・ただし優先弁済は土地の代価のみ」。更地への抵当権設定後の建物築造では法定地上権が成立しないため、建物収去の社会的損失を避ける手段として一括競売がある、という制度の連関で覚える。
・B:不適切。土地の抵当権の効力は建物(別個の不動産)には及ばない。一括競売できても優先弁済は土地の代価に限られる。
・C:不適切。抵当権設定当時に建物が存在しないため、法定地上権は成立しない(388条の要件を欠く)。

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