行政書士 民法 初級編(7〜9問)|担保物権

重要度:A 論点:留置権の成立要件

問7:留置権に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:建物の賃借人は、賃貸人に対する敷金返還請求権を「その物に関して生じた債権」として、明渡しを拒むため建物に留置権を主張できる
  • B:留置権は、債権の弁済期が到来していなくても成立する
  • C:他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができるが、占有が不法行為によって始まった場合には留置権は成立しない
【第7問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。敷金返還債務は明渡し後に発生する(622条の2)ため、明渡し前には被担保債権が存在せず、留置権は成立しない。
・B:不適切。債権が弁済期にあることが要件である(295条1項ただし書)。
・C:適切。295条1項本文と2項である。【試験対策】要件4つ=「①他人の物の占有②物に関して生じた債権(牽連性)③弁済期の到来④占有が不法行為によらない」。賃借権の無断譲渡人・不法占拠者には成立しない。

関連過去問:R3,問30


重要度:B 論点:質権

問8:質権に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:動産質権の設定は、債権者に目的物を引き渡すことによって効力を生じ、この引渡しに占有改定は含まれない
  • B:質権設定者は、質権者に目的物を引き渡した後も、占有改定により引き続き目的物を使用することができる
  • C:債権を質権の目的とすることはできない
【第8問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。要物性(344条)と占有改定の排除(345条)である。【試験対策】「設定者に代わって占有させることができない」(345条)=占有改定不可。留置的効力を確保する趣旨。即時取得でも占有改定は不可という並びで覚える。
・B:不適切。345条により設定者による代理占有(使用継続)は認められない。
・C:不適切。財産権(債権を含む)を質権の目的とすることができる(362条・権利質)。債権質は実務上も重要。

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重要度:B 論点:抵当権の処分・順位

問9:抵当権の順位等に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:後順位抵当権者は、先順位抵当権が被担保債権の弁済により消滅しても、順位が上昇することはない
  • B:抵当権の順位は、いったん確定すると、各抵当権者の合意によっても変更することができない
  • C:同一の不動産に複数の抵当権が設定された場合、その順位は登記の前後による
【第9問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。先順位抵当権が消滅すれば後順位抵当権の順位は当然に上昇する(順位上昇の原則)。
・B:不適切。各抵当権者の合意により順位を変更できる(374条1項。利害関係者の承諾も必要・登記が効力要件)。
・C:適切。373条である。【試験対策】「順位は登記の前後・合意(+利害関係者の承諾)で順位変更可(374条)・先順位の消滅で順位上昇(順位上昇の原則)」の3点。

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