重要度:B 論点:弁済の提供・供託
問10:弁済の提供および供託に関する記述として適切なものはどれか。
- A:債権者が目的物の受領をあらかじめ明確に拒んでいる場合であっても、弁済者は弁済供託によって債務を免れることはできない
- B:弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならないのが原則であるが、債権者があらかじめ受領を拒んでいるときは、口頭の提供で足りる
- C:弁済の提供をしても、債務者は債務不履行責任を免れない
【第10問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。受領拒絶は供託原因の一つである(494条1項1号)。ほかに受領不能・債権者不確知。
・B:適切。493条(現実の提供の原則と口頭の提供)である。【試験対策】「原則=現実の提供/受領拒絶・債権者の行為を要する場合=口頭の提供/受領しない意思が明確=提供自体不要(判例)」の3段階。
・C:不適切。弁済の提供により、債務者は債務を履行しないことによって生ずべき責任を免れる(492条)。
関連過去問:H30,問31
重要度:A 論点:損害賠償の範囲・賠償額の予定
問11:債務不履行による損害賠償に関する記述として適切なものはどれか。
- A:当事者が賠償額の予定をした場合、債権者は、実際の損害額がそれより大きいことを立証すれば、予定額を超える賠償を請求できる
- B:債務不履行に対する損害賠償の請求は、通常生ずべき損害についてすることができ、特別の事情によって生じた損害は、当事者がその事情を予見すべきであったときに請求できる
- C:金銭債務の不履行の損害賠償については、債権者は損害の証明をしなければならない
【第11問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。賠償額の予定(420条)をした場合、原則として増減の主張はできない(実損害がより大きくても小さくても予定額による)。
・B:適切。416条の枠組み(通常損害+予見すべき特別損害)である。【試験対策】「相当因果関係」の判例理論と416条の関係、予見の基準時(不履行時)・主体(債務者)まで発展的に。
・C:不適切。金銭債務の特則により、損害の証明は不要である(419条2項)。法定利率(又は約定利率)による賠償が当然に認められる。
関連過去問:H28,問33
重要度:A 論点:第三者の弁済
問12:第三者の弁済に関する記述として適切なものはどれか。
- A:債務の弁済は第三者もすることができるが、弁済をするについて正当な利益を有しない第三者は、原則として債務者の意思に反して弁済をすることができない(債権者がその意思を知らなかったときを除く)
- B:抵当権を設定した不動産を提供している物上保証人は、自らは債務を負担していないため、弁済をするについて正当な利益を有する第三者にはあたらないと解されている
- C:債務の性質が第三者の弁済を許さないものであっても、第三者は常に弁済することができる
【第12問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。債務の弁済は第三者もすることができる(474条1項)。もっとも、弁済について正当な利益を有しない第三者は、原則として債務者の意思に反して弁済することができない。ただし、債権者が債務者の反対意思を知らなかった場合は例外である(同条2項)。また、この第三者は、原則として債権者の意思に反しても弁済できないが、債務者の委託を受けて弁済し、債権者がそのことを知っていた場合は例外となる(同条3項)。【試験対策】債務者の反対意思と債権者の反対意思を区別する。
・B:不適切。物上保証人は弁済しなければ担保権を実行される立場にあり、正当な利益を有する典型例である。
・C:不適切。債務の性質が許さないとき(芸術家の演奏など)や当事者が第三者弁済を禁止・制限したときは、第三者は弁済できない(474条4項)。
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