重要度:A 論点:詐欺・強迫
問7:詐欺・強迫による意思表示に関する記述として適切なものはどれか。
- A:第三者が詐欺を行った場合、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、意思表示を取り消すことができる
- B:第三者が強迫を行った場合、相手方がその事実を知らなかったときは、意思表示を取り消すことができない
- C:詐欺による取消しは、善意無過失の第三者にも対抗することができる
【第7問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。第三者詐欺(96条2項)の要件である。【試験対策】「第三者の詐欺=相手方の悪意・有過失が必要/第三者の強迫=無条件で取消し可」の対比。強迫の被害者には帰責性がないため徹底的に保護される。
・B:不適切。強迫の場合は相手方の主観を問わず取り消すことができる。96条2項は「詐欺」のみを対象とする。
・C:不適切。詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できない(96条3項)。強迫(対抗できる)との違い。
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重要度:A 論点:代理権の濫用・自己契約
問8:代理に関する記述として適切なものはどれか。
- A:代理人が自己の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知っていたときは、その行為は無権代理行為とみなされる
- B:自己契約および双方代理は、本人があらかじめ許諾した場合や債務の履行にあたる場合であっても、常に絶対的に無効である
- C:代理人は意思表示の主体として行為能力者であることを要するため、未成年者を代理人に選任することはできない
【第8問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。代理権の濫用(107条・2020年改正で明文化)である。【試験対策】「範囲内の行為でも、濫用目的+相手方の悪意・有過失→無権代理とみなす」。旧判例(93条ただし書類推)の明文化という経緯も知識として。
・B:不適切。本人があらかじめ許諾した行為と債務の履行は、自己契約・双方代理の禁止の例外である(108条1項ただし書)。
・C:不適切。制限行為能力者も代理人となることができ、制限行為能力者が代理人としてした行為は、原則として行為能力の制限を理由に取り消すことができない(102条本文)。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない(同条ただし書)。【試験対策】任意代理人の場合の原則と、制限行為能力者の法定代理人として行う場合の例外を区別する。
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重要度:A 論点:表見代理
問9:BはAから何の代理権も与えられていないが、Aの実印と委任状を預かっていたため、Cとの間でAの代理人として契約を締結した。表見代理に関する記述として適切なものはどれか。
- A:表見代理は、本人に帰責性がなくても、相手方が善意でありさえすれば成立する
- B:Aが Bに代理権を与えた旨をCに表示していた場合、Cが善意無過失であれば、109条の表見代理が成立しうる
- C:表見代理が成立する場合、相手方Cは、表見代理の主張をせずに無権代理人Bに対して117条の責任を追及することはできない
【第9問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。表見代理は本人の帰責性(授与表示・基本代理権の授与・かつて代理権があったこと)を必要とする外観法理である。
・B:適切。代理権授与の表示による表見代理(109条)である。【試験対策】表見代理3類型=109条(授与表示)・110条(権限外の行為)・112条(代理権消滅後)。いずれも「本人の帰責性+相手方の信頼(善意無過失)」の組合せで理解する。
・C:不適切。判例は、表見代理が成立しうる場合でも、相手方は表見代理を主張せずに無権代理人の責任(117条)を追及できるとする(選択可能)。
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