行政書士 行政法 応用編(5〜6問)|情報法制

問5:情報公開法5条の不開示情報に関する次の記述のうち、同法の規定に照らし、妥当なものはどれか。

  • A:個人に関する情報は、当該個人が公務員である場合には、その職務遂行に係る情報であっても、すべて不開示とされる。
  • B:法人その他の団体に関する情報は、公にすることにより当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものは、原則として不開示とされる。
  • C:審議・検討又は協議に関する情報は、行政の意思決定過程の情報であるから、意思決定後は理由を問わずすべて開示しなければならない。
  • D:犯罪の予防・捜査等の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある情報についての行政機関の長の判断は、裁判所による審査の対象とならない。
  • E:人の生命、健康、生活又は財産を保護するため公にすることが必要であると認められる情報であっても、個人識別情報に該当する限り、開示することはできない。
【第5問:正解と解説】

正解:B

・A
【選択肢解説】
妥当でない。公務員の職務の遂行に係る情報のうち、当該公務員の職及び職務遂行の内容に係る部分は、個人情報の不開示の例外として開示の対象となる(5条1号ハ)。

・B
【論点】法人等情報の不開示(5条2号)

【考え方】
法人等の正当な利益(権利・競争上の地位等)を害するおそれのある情報は不開示となる。ただし人の生命・健康・生活・財産を保護するため公にすることが必要な情報は例外的に開示対象となる(同号ただし書)。

【選択肢解説】
本肢は妥当である。

・C
【選択肢解説】
妥当でない。審議検討情報の不開示は、率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ等がある場合を保護するもので、意思決定後も国民の間に混乱を生じさせるおそれ等があれば不開示となりうる。「すべて開示」ではない。

・D
【選択肢解説】
妥当でない。5条4号は「行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」と定め、行政庁の第一次的判断を尊重する規定ぶりだが、裁判所は相当の理由の有無を審査できる(司法審査の対象となる)。

・E
【選択肢解説】
妥当でない。人の生命、健康、生活又は財産を保護するため公にすることが必要であると認められる情報は、個人識別情報であっても開示の対象となる(5条1号ロ)。

関連過去問:R7,問26


問6:行政機関等における個人情報の取扱いに関する次の記述のうち、個人情報保護法の規定に照らし、妥当でないものはどれか。

  • A:行政機関が個人情報を保有するにあたっては、利用目的をできる限り特定しなければならない。
  • B:行政機関は、本人から直接書面に記録された個人情報を取得するときは、原則として、あらかじめ本人に対し利用目的を明示しなければならない。
  • C:行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。ただし、本人の同意があるとき等、個人情報保護法69条2項各号に該当し、かつ、本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがないと認められるときは、例外的に利用又は提供することができる。
  • D:開示請求に係る保有個人情報に開示請求者以外の個人の情報が含まれている場合、行政機関の長等は、当該部分を含め、保有個人情報の全部を常に開示しなければならない。
  • E:何人も、自己を本人とする保有個人情報のうち、開示決定に基づき開示を受けたもの又は開示決定に係る保有個人情報であって他の法令の規定により開示を受けたものの内容が事実でないと思料するときは、原則として、開示を受けた日から90日以内に、その訂正(追加又は削除を含む)を請求することができる。
【第6問:正解と解説】

正解:D

・A
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。61条1項のとおり。

・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。62条のとおり(人の生命・身体・財産の保護のため緊急に必要があるとき等の例外あり)。

・C
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、または提供してはならない(69条1項)。

ただし、本人の同意があるとき、行政機関等が法令の定める所掌事務または業務の遂行に必要な限度で内部利用する場合など、同条2項各号に該当すると認めるときは、目的外利用または提供が認められる。もっとも、本人または第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この例外は適用されない(同項ただし書)。

・D
【論点】本人開示請求における不開示情報

【考え方】
本人開示請求においても不開示情報が法定されており、開示請求者以外の個人に関する情報(第三者の個人情報)などが含まれる場合には、当該部分は不開示となりうる(78条)。「本人の情報だから全部開示」ではなく、第三者の権利利益との調整が図られている。

【選択肢解説】
本肢は「常に全部開示」としており妥当でない。よって本問の正解である。

・E
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。何人も、自己を本人とする一定の保有個人情報の内容が事実でないと思料するときは、その訂正を請求することができる(90条1項)。

訂正請求の対象となるのは、①開示決定に基づき開示を受けた保有個人情報、または②開示決定に係る保有個人情報であって、他の法令の規定により開示を受けたものに限られる。訂正請求は、原則として、保有個人情報の開示を受けた日から90日以内にしなければならない(同条3項)。訂正には、追加または削除が含まれる。

関連過去問:-


タイトルとURLをコピーしました