行政書士 行政法 応用編(1〜2問)|情報法制

問1:情報公開法に関する次の記述のうち、同法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  • A:開示請求をすることができるのは、日本国民及び日本に居住する外国人に限られる。
  • B:情報公開法は、その目的規定において、国民の「知る権利」を保障することを明記している。
  • C:開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、行政機関の長は裁量により開示することができる。
  • D:開示決定等の取消訴訟において、裁判所は、明文の規定がなくても、対象文書を実際に見分するインカメラ審理を行うことができる。
  • E:不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができる場合であっても、行政機関の長は文書全体を不開示とすることができる。
【第1問:正解と解説】

正解:C

・A
【選択肢解説】
妥当でない。「何人も」開示請求でき(3条)、国籍・居住地による限定はない。

・B
【選択肢解説】
妥当でない。目的規定にあるのは政府の説明責務であり、「知る権利」の文言は明記されていない。

・C
【論点】公益上の理由による裁量的開示(7条)

【考え方】
不開示情報の規定は開示による支障から諸利益を守るためのものだが、それを上回る公益上の必要がある場合には、行政機関の長の高度の行政的判断により開示する途が開かれている。

【選択肢解説】
本肢は7条のとおりであり、妥当である。部分開示(6条・義務)や存否応答拒否(8条)と区別して整理する。

・D
【選択肢解説】
妥当でない。判例(最決平21.1.15)は、明文の規定がない以上、訴訟におけるインカメラ審理は許されないとした。情報公開・個人情報保護審査会によるインカメラ審理(可能)との対比。

・E
【選択肢解説】
妥当でない。容易に区分して除くことができるときは、不開示部分を除いた部分を開示しなければならない(部分開示・6条1項)。

関連過去問:R7,問26


問2:個人情報保護法に関する次の記述のうち、同法の規定に照らし、妥当でないものはどれか。

  • A:「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの又は個人識別符号が含まれるものをいう。
  • B:「要配慮個人情報」には、本人の人種、信条、病歴、犯罪の経歴などが含まれる。
  • C:行政機関は、法令の定める所掌事務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用目的をできる限り特定して、個人情報を保有することができる。
  • D:何人も、行政機関の長等に対し、自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することができる。
  • E:個人情報保護法制は、民間部門を規律する個人情報保護法と、公的部門を規律する行政機関個人情報保護法とが、現在も併存する二本立ての体系となっている。
【第2問:正解と解説】

正解:E

・A
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。2条1項の定義である。死者の情報が含まれない点も重要。

・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。要配慮個人情報には、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないように取扱いに特に配慮を要する記述等が含まれる(2条3項)。

なお、要配慮個人情報の取得について原則として本人の同意を必要とする20条2項は、個人情報取扱事業者に対する規律である。行政機関等については、要配慮個人情報の取得に関して同一の一律的な本人同意要件は設けられておらず、61条以下の公的部門に関する規律に従う。

・C
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。61条のとおり(保有の制限)。

・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。76条のとおり。法定代理人・任意代理人による請求も可能である。

・E
【論点】個人情報保護法制の一元化(令和3年改正)

【考え方】
令和3年改正により行政機関個人情報保護法・独立行政法人等個人情報保護法は個人情報保護法に統合され、地方公共団体の制度も共通ルール化された。監督機関も個人情報保護委員会に一元化されている。

【選択肢解説】
本肢は改正前の二本立て体系を現行のものとして述べており妥当でない。よって本問の正解である。法改正情報のアップデートを試す趣旨の出題である。

関連過去問:R7,問57


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