行政書士 行政法 応用編(3〜4問)|行政不服審査法

問3:審査請求の要件等に関する次の記述のうち、行政不服審査法の規定に照らし、妥当なものはどれか。

  • A:行政庁の処分に対する審査請求は、法律に列記された処分に限って行うことができる。
  • B:法令に基づき行政庁に処分についての申請をした者は、申請から相当の期間が経過したにもかかわらず行政庁が何らの処分もしない場合、不作為についての審査請求をすることができる。
  • C:不作為についての審査請求には、不作為状態が生じてから3か月以内という期間の制限がある。
  • D:審査請求は、口頭ですることが原則とされている。
  • E:審査請求書に補正することができる不備がある場合であっても、審査庁は補正を命ずることなく、直ちに審査請求を却下することができる。
【第3問:正解と解説】

正解:B

・A
【選択肢解説】
妥当でない。行政不服審査法は一般概括主義を採用しており、適用除外(7条)にあたらない限り、処分一般について審査請求ができる。列記主義は旧訴願法の方式である。

・B
【論点】不作為についての審査請求(3条)

【考え方】
「法令に基づき申請をした者」に限り、申請から「相当の期間」が経過した不作為について審査請求ができる。申請権のない者による申立てや、申請と無関係な不作為は対象とならない。

【選択肢解説】
本肢は3条のとおりであり、妥当である。

・C
【選択肢解説】
妥当でない。不作為についての審査請求には期間制限がなく、不作為状態が続く限りいつでも請求できる。処分についての審査請求期間(3か月・1年)との違いである。

・D
【選択肢解説】
妥当でない。審査請求は書面(審査請求書)の提出が原則であり、口頭ですることができるのは他の法律(条例に基づく処分は条例)に定めがある場合に限られる(19条1項)。

・E
【選択肢解説】
妥当でない。審査請求書が19条の規定に違反し、補正することができる不備がある場合には、審査庁は、相当の期間を定めて補正を命じなければならない(23条)。その期間内に補正されないときは、審理手続を経ないで却下することができる(24条1項)。ただし、審査請求が不適法であって補正することができないことが明らかなときは、補正を命ずることなく直ちに却下することができる(同条2項)。本肢は、補正可能な不備についても直ちに却下できるとしているため、妥当でない。

関連過去問:R5,問14


問4:再調査の請求、再審査請求および教示に関する次の記述のうち、行政不服審査法の規定に照らし、妥当でないものはどれか。

  • A:処分庁が誤って法定の期間より長い審査請求期間を教示した場合であっても、法定の期間を経過した後にされた審査請求は、常に不適法として却下される。
  • B:再調査の請求をしたときは、原則として、その決定を経た後でなければ審査請求をすることができない。
  • C:再審査請求は、法律に再審査請求ができる旨の定めがある場合に限り、することができる。
  • D:行政庁は、審査請求をすることができる処分を書面でする場合には、処分の相手方に対し、不服申立てをすることができる旨、不服申立てをすべき行政庁および不服申立期間を書面で教示しなければならない。
  • E:再調査の請求は、処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合において、法律に再調査の請求ができる旨の定めがあるときに限り、することができる。
【第4問:正解と解説】

正解:A

・A
【論点】誤った審査請求期間の教示と期間徒過

【考え方】
処分庁が法定の期間より長い審査請求期間を教示し、処分の相手方がその教示を信頼して法定期間経過後に審査請求をした場合には、具体的事情により、18条1項または2項ただし書の「正当な理由」が認められる余地がある。誤った教示があれば当然に期間制限が延長されるわけではないが、常に不適法として却下されるともいえない。

なお、22条は誤った不服申立先等を教示した場合の書類送付等を、83条は教示をしなかった場合の不服申立書提出を定めるものであり、法定期間より長い期間を誤って教示した場合を直接規定するものではない。

【選択肢解説】
本肢は、誤った教示を信頼した事情を一切考慮せず、「常に不適法として却下される」としているため、妥当でない。よって本問の正解である。

・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。5条2項本文のとおり(決定を経ずに3か月経過した場合等の例外あり)。自由選択だが、いったん再調査を選んだら決定まで進むのが原則。

・C
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。6条1項のとおり。社会保険・労働保険分野に例が多い。

・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。82条1項の教示義務である。

・E
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。5条1項のとおり。国税など大量的処分の分野に法律の定めがある。

関連過去問:R7,問15/R7,問16


タイトルとURLをコピーしました