行政書士 行政法 応用編(3〜4問)|情報法制

問3:情報公開法に基づく開示決定等および救済に関する次の記述のうち、同法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  • A:開示請求に対する開示決定等は、行政手続法上の申請に対する処分にあたらないため、開示請求を拒否する場合にも理由を提示する必要はない。
  • B:開示決定等について審査請求があったときは、裁決をすべき行政庁は、原則として情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければならない。
  • C:情報公開・個人情報保護審査会は、対象となった行政文書を実際に見分するインカメラ審理を行うことができない。
  • D:開示決定等の取消訴訟を提起するには、必ず審査請求の裁決を経なければならない。
  • E:不開示決定の取消訴訟において、裁判所は、明文の規定がなくても、対象文書を直接見分するインカメラ審理を行うことができる。
【第3問:正解と解説】

正解:B

・A
【選択肢解説】
妥当でない。開示決定等は申請に対する処分であり、拒否(不開示決定)には行政手続法8条により理由の提示が必要である。どの不開示情報に該当するかを了知しうる程度の理由が求められる。

・B
【論点】審査会への諮問(情報公開法19条)

【考え方】
開示・不開示の判断の適正を第三者機関がチェックするため、審査請求があった場合には原則として情報公開・個人情報保護審査会(地方公共団体では条例設置の機関)への諮問が義務づけられている。

【選択肢解説】
本肢は妥当である。

・C
【選択肢解説】
妥当でない。審査会は諮問庁に対し行政文書等の提示を求めて見分すること(インカメラ審理)ができ、諮問庁はこれを拒めない。

・D
【選択肢解説】
妥当でない。審査請求前置の定めはなく、直ちに取消訴訟を提起することもできる(自由選択主義)。

・E
【選択肢解説】
妥当でない。判例(最決平21.1.15)は、明文の規定がない以上、訴訟におけるインカメラ審理は許されないとした。「審査会=可・裁判所=不可」の対比が核心である。

関連過去問:R4,問42(多肢)


問4:公文書管理法および行政機関等における個人情報の取扱いに関する次の記述のうち、法の規定に照らし、妥当でないものはどれか。

  • A:行政機関の長等に対する自己の保有個人情報の開示請求は、日本国籍を有する者に限って行うことができる。
  • B:行政機関の職員は、法律の定めに従い、経緯も含めた意思決定に至る過程等を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、文書を作成しなければならない。
  • C:保存期間が満了した行政文書ファイル等を廃棄するには、あらかじめ内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならない。
  • D:行政機関は、個人情報を保有するにあたっては、法令の定める所掌事務又は業務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用目的をできる限り特定しなければならない。
  • E:公文書管理法は、公文書等が健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であるとの位置づけの下、現在及び将来の国民への説明責務が全うされることを目的に掲げている。
【第4問:正解と解説】

正解:A

・A
【論点】本人開示請求の請求権者(個人情報保護法76条)

【考え方】
保有個人情報の開示請求は「何人も」することができ、国籍による限定はない。情報公開請求(何人も)と同様である。未成年者・成年被後見人の法定代理人および本人の委任による任意代理人による請求も認められている。

【選択肢解説】
本肢は日本国籍を有する者に限定しており妥当でない。よって本問の正解である。

・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。行政機関の職員は、公文書管理法1条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程ならびに当該行政機関の事務および事業の実績を合理的に跡付け、または検証することができるよう、文書を作成しなければならない(4条)。ただし、処理に係る事案が軽微なものである場合は、文書作成義務の例外となる。

・C
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。同法8条2項のとおり。恣意的な廃棄を防止する仕組みである。

・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。個人情報保護法61条のとおり。

・E
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。公文書管理法1条の目的規定のとおり。

関連過去問:R6,問26


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