重要度:A 論点:発起設立と募集設立
問1:株式会社の設立に関する記述として適切なものはどれか。
- A:発起設立では、発起人は設立時発行株式の全部を引き受けなければならない
- B:募集設立では、創立総会を開催する必要はない
- C:発起人は、募集設立の場合には、設立時発行株式を1株も引き受けなくてもよい
【第1問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。発起設立は発起人が全部を引き受ける方法である(25条1項1号)。【試験対策】「発起=全部引受け/募集=一部引受け+募集+創立総会」。どちらの方式でも発起人は必ず1株以上引き受ける(25条2項)。
・B:不適切。募集設立では設立時株主による創立総会の開催が必要である(65条)。
・C:不適切。各発起人は設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない(25条2項)。
関連過去問:H28,問37
重要度:A 論点:財産引受け
問2:発起人が会社の成立を条件として第三者から財産を譲り受ける契約(財産引受け)に関する記述として適切なものはどれか。
- A:財産引受けは、定款に記載がなくても、成立後の会社が追認すれば有効となる
- B:定款に記載のない財産引受けは会社に対して効力を生じず、成立後の会社が追認しても有効とはならないとするのが判例である
- C:財産引受けは発起人の権限に当然含まれるため、定款への記載は不要である
【第2問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。判例は追認による有効化を否定する。28条の潜脱を防ぐ趣旨である。
・B:適切。財産引受けは、株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産、その価額および譲渡人の氏名又は名称を原始定款に記載し、又は記録しなければ効力を生じない変態設立事項である(28条2号)。判例は、定款に記載のない財産引受けは会社に対して効力を生じず、成立後の会社が追認しても有効とはならないとする(最判昭42.9.26)。また、判例は、発起人の権限は会社の設立自体に必要な行為に限られ、開業準備行為一般には原則として及ばず、原始定款に記載され、その他の法定要件を満たした財産引受けだけが例外的に許されるとする。【試験対策】「定款記載が効力要件」「成立後の会社による追認不可」「発起人の権限は原則として開業準備行為一般に及ばない」の3点を整理する。
・C:不適切。財産引受けは会社財産を危うくするおそれがあるため、定款記載と原則として検査役調査を要する変態設立事項とされている。
関連過去問:H24,問37
重要度:A 論点:設立無効の訴え
問3:株式会社の設立無効の訴えに関する記述として適切なものはどれか。
- A:設立の無効は、利害関係人であれば誰でも、いつでも、どのような方法でも主張することができる
- B:設立無効の訴えは、会社成立の日から2年以内に、株主・取締役等に限り提起でき、無効判決に遡及効はない
- C:設立無効判決が確定すると、会社は初めから存在しなかったものとして扱われる
【第3問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。法的安定性のため「訴えをもってのみ・2年以内・原告限定」という制限が課されている(828条)。
・B:適切。828条・839条のとおり。【試験対策】「提訴期間・原告限定・対世効・不遡及」の4点セットは、新株発行無効・合併無効など会社関係訴訟に共通する型として一括で覚える。
・C:不適切。無効判決は将来に向かってのみ効力を生じ(839条)、それまでの会社の行為は有効なものとして清算が行われる。
関連過去問:H29,問37
