重要度:A 論点:名板貸し
問1:Aは自己の商号「A商店」を使用して営業することをBに許諾し、BはCと取引をした。この場合に関する記述として適切なものはどれか。
- A:CがA商店の営業主をAと誤認して取引した場合、AはBと連帯して、その取引によって生じた債務を弁済する責任を負う
- B:名板貸人Aの責任は、Cが営業主をAと誤認したかどうかにかかわらず生じる
- C:Aが責任を負う場合、Bは債務を免れる
【第1問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。名板貸人の責任(商法14条)である。【試験対策】要件は「①商号使用の許諾+②相手方の誤認(善意・重過失なし)」、効果は「連帯責任」。外観信頼保護の制度として商業登記9条2項・表見代表取締役と並べて整理する。
・B:不適切。名板貸しは外観への信頼を保護する制度であるため、相手方の誤認が要件となる。悪意・重過失の相手方は保護されない。
・C:不適切。名板貸人は名板借人と「連帯して」責任を負うのであり、営業主であるBの債務が消えるわけではない。
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重要度:A 論点:商行為の代理
問2:商行為の代理に関する記述として適切なものはどれか。
- A:商行為の代理人が本人のためにすることを示さずに行為をした場合、その行為は本人に対して効力を生じない
- B:商行為の代理では顕名がなくても行為の効果は本人に帰属するが、相手方が代理人が本人のためにすることを知らず、かつ、そのことにつき過失がないときは、相手方は、本人との法律関係又は代理人との法律関係のいずれかを選択して主張することができる
- C:商行為の委任による代理権は、本人の死亡によって消滅する
【第2問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。民法の顕名主義(100条本文)とのすり替え。商行為の代理は非顕名でも本人に効果が帰属する(商法504条本文)。
・B:適切。商行為の代理人が本人のためにすることを示さずに行為をした場合であっても、その行為は本人に対して効力を生ずる(商法504条本文)。もっとも、相手方が、代理人が本人のためにすることを知らず、かつ、そのことにつき過失がない場合、判例は、相手方が本人との法律関係又は代理人との法律関係のいずれかを選択して主張することができるとする(最大判昭43.4.24)。本人と代理人が当然に連帯して履行責任を負うわけではなく、相手方が代理人との法律関係を選択して主張したときは、本人との法律関係を重ねて主張することはできない。【試験対策】条文上の「代理人に対して履行の請求をすることを妨げない」という表現に加え、判例上の選択関係と相手方の無過失を押さえる。
・C:不適切。商行為の委任による代理権は本人の死亡によっては消滅しない(506条)。営業の継続性を保護する民法111条の特則である。
関連過去問:R1,問36
重要度:A 論点:商人間の売買
問3:商人間の売買における買主の検査・通知義務に関する記述として適切なものはどれか。
- A:この検査・通知義務は、売主が不適合について悪意であった場合にも適用される
- B:買主が契約不適合を理由に責任を追及するための通知期間は、民法と同じく不適合を知った時から1年以内である
- C:買主は目的物を受領したときは遅滞なく検査し、契約不適合を発見したときは、売主がその不適合について悪意である場合を除き、直ちに売主に通知しなければ、追完請求や解除等ができなくなる
【第3問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。売主が悪意の場合には526条は適用されず、買主は通知を怠っても責任追及できる(526条3項)。
・B:不適切。「知った時から1年」は民法566条の規律である。商人間の売買では受領時の検査と直ちの通知が要求される。
・C:適切。商法526条である。商人間の売買では、買主は目的物を受領したときは遅滞なく検査し、その検査により、目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことを発見したときは、直ちに売主に通知しなければならない。通知を怠った場合、その不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。種類又は品質に関する契約不適合を直ちに発見することができない場合も、目的物の受領後6か月以内に発見し、直ちに通知する必要がある。ただし、売主が契約不適合について悪意であった場合には、この制限は適用されない(同条3項)。【試験対策】民法566条の「不適合を知った時から1年以内の通知」と比較し、商人間売買では検査・通知義務が大幅に加重されていることを押さえる。
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