行政書士 商法・会社法 初級編(4〜6問)|株式

重要度:A 論点:新株発行の無効

問4:新株発行の無効の訴えに関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:公開会社において、株主総会の特別決議を経ずに有利発行がされた場合、その新株発行は無効となる
  • B:非公開会社において、株主総会の特別決議を経ずに株主割当て以外の方法で新株が発行された場合、その発行は無効事由を有する
  • C:新株発行の無効の訴えの提訴期間は、公開会社・非公開会社を問わず6か月以内である
【第4問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。判例は、公開会社における総会特別決議の欠缺は無効事由にあたらないとする(取引安全重視・取締役の責任等で処理)。
・B:適切。最判平24.4.24は、非公開会社では持株比率の維持に係る株主の利益保護が重視されるため、総会特別決議の欠缺は無効事由になるとした。【試験対策】同じ瑕疵でも「公開=有効/非公開=無効」と結論が分かれる。会社の類型によって保護法益が異なることの表れ。
・C:不適切。提訴期間は公開会社6か月・非公開会社1年である(828条1項2号)。

関連過去問:R6,問40


重要度:A 論点:種類株式

問5:種類株式に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:剰余金の配当について内容の異なる種類株式を発行することは、株主平等原則に反し許されない
  • B:非公開会社でも、議決権制限株式は発行済株式総数の2分の1を超えて発行することができない
  • C:公開会社では、議決権制限株式の数が発行済株式総数の2分の1を超えるに至ったときは、直ちに2分の1以下にするための必要な措置をとらなければならない
【第5問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。種類株式は109条1項の株主平等原則の枠内で法が認めた多様化であり(「株式の内容及び数に応じて」平等)、配当優先株等の発行は適法である(108条1項1号)。
・B:不適切。2分の1規制は公開会社にのみ適用される。非公開会社には制限がない。
・C:適切。115条である。【試験対策】2分の1規制は「公開会社のみ」。支配と出資の乖離を公開会社で防ぐ趣旨から、非公開会社に規制がない理由も説明できるようにする。

関連過去問:H28,問38


重要度:B 論点:株式の共有

問6:株式が数人の共有に属する場合に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:共有者は、当該株式についての権利を行使する者1人を定めて会社に通知しなければ、原則としてその株式についての権利を行使することができない
  • B:権利行使者の指定は、共有者全員の同意によらなければならない
  • C:会社の側から、権利行使者の通知のない共有株式の権利行使に同意することはできない
【第6問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。106条本文である。共有者は、当該株式についての権利を行使する者1人を定め、株式会社にその者の氏名又は名称を通知しなければ、原則として当該株式についての権利を行使することができない。ただし、株式会社が当該権利の行使に同意した場合には、同条本文の適用が排除される。もっとも、権利行使自体は民法の共有に関する規定に従う必要がある(最判平27.2.19)。【試験対策】相続により株式が準共有となる場面で頻出。指定・通知を欠く共有株式の議決権は原則として行使できず、株主総会の定足数にも影響し得る。
・B:不適切。判例は、権利行使者の指定は共有物の管理行為として、持分の価格の過半数で決することができるとする。全員一致は不要。
・C:不適切。会社法106条ただし書により、株式会社が当該権利の行使に同意した場合には、権利行使者の指定・通知を欠いていても同条本文の適用は排除される。ただし、当該権利行使が民法の共有に関する規定に従ったものでないときは、会社が同意しても適法とはならない。共有株式についての議決権行使は、株式を処分し、又は株式の内容を変更することになるなどの特段の事情がない限り、株式の管理に関する行為として、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する(最判平27.2.19)。

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