行政書士 商法・会社法 初級編(1〜3問)|株式

重要度:A 論点:譲渡制限株式

問1:譲渡制限株式を会社の承認なくAがBに譲渡した場合に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:承認のない譲渡は当事者間でも無効である
  • B:承認のない譲渡も当事者AB間では有効であり、会社に対抗できないにとどまる
  • C:承認のない譲渡は、会社との関係でも当然に有効である
【第1問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。判例は当事者間の効力を認める。譲渡制限の趣旨は会社にとって好ましくない者の参入防止であり、当事者間の効力まで否定する必要はない。
・B:適切。判例の立場である。【試験対策】「当事者間=有効/対会社=対抗不可」の相対的処理。会社が承認しない場合の買取り手続(会社又は指定買取人)、2週間の通知懈怠によるみなし承認もセットで。
・C:不適切。会社に対する関係では、承認がない限り譲渡の効力を主張できない。

関連過去問:H30,問38


重要度:A 論点:自己株式

問2:会社が保有する自己株式に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:自己株式にも議決権が認められる
  • B:会社は取得した自己株式を、一定期間内に処分又は消却しなければならない
  • C:自己株式の取得は、原則として分配可能額の範囲内でしなければならない
【第2問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。自己株式には議決権がない(308条2項)。会社支配の公正を歪めるためである。剰余金配当請求権もない。
・B:不適切。平成13年改正以降、保有期間の制限はなく、いわゆる金庫株として保有し続けることができる。
・C:適切。株主との合意による有償取得には財源規制が及ぶ(461条1項)。資本維持による債権者保護の趣旨。【試験対策】「手続規制(総会決議)+財源規制(分配可能額)」の二重の規制構造で理解する。

関連過去問:R2,問38


重要度:A 論点:募集株式の発行

問3:公開会社における募集株式の発行に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:募集事項の決定は、有利発行の場合を除き、取締役会の決議によることができる
  • B:募集事項の決定は、常に株主総会の特別決議によらなければならない
  • C:払込金額が引受人に特に有利な金額である場合でも、取締役会の決議で発行することができる
【第3問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。公開会社では授権資本制度の下、資金調達の機動性のため取締役会決議で発行できる(201条1項)。【試験対策】「公開=取締役会(有利発行は総会特別決議+理由説明)/非公開=総会特別決議が原則」の対比。既存株主の持株比率と経済的利益のどちらを重視するかの制度設計の違い。
・B:不適切。常に総会特別決議を要するのは非公開会社の原則である。
・C:不適切。有利発行は既存株主の経済的利益を害するため、公開会社でも株主総会の特別決議と取締役の理由説明が必要である(199条3項・201条1項)。

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