行政書士 憲法 初級編(10〜12問)|財政・地方自治

重要度:B 論点:皇室財産・皇室費用

問10:皇室の財産に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:皇室の費用は、国会の議決を経ることなく支出することができる
  • B:皇室に財産を譲り渡すことは、国会の議決を経ることなく自由に行うことができる
  • C:すべて皇室財産は国に属し、すべて皇室の費用は予算に計上して国会の議決を経なければならない
【第10問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。皇室の費用は予算に計上して国会の議決を経なければならない(88条後段)。
・B:不適切。皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産を譲り受け・賜与するには国会の議決が必要である(8条)。
・C:適切。88条である。【試験対策】「皇室財産の国有化(88条前段)・皇室費用の予算計上(同後段)・皇室の財産授受への国会議決(8条)」の3点セット。皇室への財産集中を防ぐ財政民主主義の一環。

関連過去問:R5,問7


重要度:A 論点:公金支出の制限

問11:憲法89条に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:89条前段は、宗教団体への公金支出を、目的を問わず一切禁止する趣旨であり、政教分離原則とは無関係である
  • B:公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、支出し又は利用に供してはならない
  • C:89条後段の「公の支配」に属しない事業への公金支出の禁止は、慈善・教育・博愛の事業には適用されない
【第11問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。89条前段は20条の政教分離原則を財政面から担保する規定である。
・B:適切。89条前段である。【試験対策】前段=政教分離の財政面からの裏付け(空知太事件は土地の無償提供を89条等に違反とした)/後段=慈善・教育・博愛事業への支出制限(私学助成の合憲性論点)という前段後段の役割分担。
・C:不適切。89条後段は、まさに「公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業」への公金支出等を禁止する。私学助成については、実務・政府解釈上、関係法令による監督を根拠に私立学校を「公の支配」に属するとして助成が行われているが、最高裁判例による確立した結論ではなく、学説上は見解が分かれる。

関連過去問:H28,問6


重要度:A 論点:地方自治特別法

問12:一の地方公共団体のみに適用される特別法に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:地方自治特別法を制定するにあたっては、当該地方公共団体の議会の同意を得れば足り、住民の投票による過半数の同意までは必要とされない
  • B:一の地方公共団体のみに適用される特別法は、その地方公共団体の住民の投票において過半数の同意を得なければ、国会はこれを制定することができない
  • C:95条の住民投票による同意の要件は、41条・59条の定める国会単独立法の原則の例外にはあたらないと解されている
【第12問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。必要なのは住民の投票における過半数の同意であり、議会の同意では足りない。
・B:適切。95条である。【試験対策】95条は「国会単独立法の原則」の憲法自身が定める例外(住民投票の関与)。広島平和記念都市建設法などの実例と、近年は適用例がほとんどないことも背景知識に。
・C:不適切。国会の議決のみで法律が成立するという原則に住民投票という要素が加わるため、国会単独立法の原則の例外と位置づけられる。

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