行政書士 憲法 初級編(10〜12問)|統治・内閣

重要度:A 論点:政令の限界

問10:政令に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:政令には、法律の委任があっても、罰則を設けることは一切できない
  • B:内閣は、法律から独立して、国民の権利義務を定める政令(独立命令)を制定することができる
  • C:内閣は憲法・法律の規定を実施するために政令を制定できるが、法律の委任がなければ政令に罰則を設けることができない
【第10問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。法律の委任があれば政令に罰則を設けることができる(73条6号ただし書の反対解釈)。
・B:不適切。国会を唯一の立法機関とする現行憲法の下では、独立命令は認められない。
・C:適切。内閣は、憲法および法律の規定を実施するために政令を制定することができる(憲法73条6号)。

政令に罰則を設けるには、特に法律の委任が必要である(同号ただし書)。また、政令により国民へ義務を課し、または権利を制限する規定を設ける場合にも、内閣法11条により法律の委任が必要となる。

法律の執行に必要な細目的事項を定める執行命令と、法律の具体的な委任に基づく委任命令は認められるが、法律から独立して国民の権利義務を定める独立命令は認められない。

委任立法については、委任の目的、内容および範囲が法律から合理的に読み取れる必要があり、立法権を包括的に行政機関へ委ねる白紙委任は許されない。

関連過去問:R4,問6/R7,問7


重要度:A 論点:内閣総理大臣の指名

問11:内閣総理大臣の指名に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:衆議院と参議院が異なった指名の議決をし、両院協議会でも意見が一致しないときは、衆議院の議決が国会の議決となる
  • B:参議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて30日以内に衆議院が議決しないときは、参議院の議決が国会の議決となる
  • C:内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名され、文民でなくてもよい
【第11問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。67条2項である。【試験対策】指名の優越の日数は「10日」(衆議院可決後、参議院が10日以内に議決しないとき)。予算・条約の「30日」との数字の違いが定番のひっかけ。
・B:不適切。内閣総理大臣の指名については、衆議院と参議院がそれぞれ指名の議決を行う。衆議院に、予算の場合のような先議権が認められているわけではない。

両議院が異なった指名の議決をし、両院協議会でも意見が一致しない場合、または衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に参議院が指名の議決をしない場合には、衆議院の議決が国会の議決となる(憲法67条2項)。

本肢は、参議院の議決を基準としている点、衆議院が議決しない場合としている点および期間を30日としている点で誤りである。

【試験対策】
・内閣総理大臣の指名=10日
・予算・条約=30日
・法律案=60日
と区別する。所定期間が経過した場合には、衆議院の議決が国会の議決となるのであり、「自然成立」と表現しない。
・C:不適切。内閣総理大臣その他の国務大臣は文民でなければならない(66条2項)。

関連過去問:R7,問6


重要度:B 論点:国務大臣の特典

問12:国務大臣に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:国務大臣は、議席を有しない議院には、発言のため求められた場合であっても出席することができない
  • B:国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されないが、これにより訴追の権利は害されない
  • C:国務大臣の在任中の訴追には、内閣総理大臣の同意ではなく、国会の両議院の同意が必要とされている
【第12問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。国務大臣は、議席の有無にかかわらず、答弁・説明のため出席を求められたときは出席しなければならず、議案について発言するためいつでも出席できる(63条)。
・B:適切。75条である。【試験対策】「同意権者=内閣総理大臣(国会ではない)・訴追の権利は害されない(=公訴時効の停止等で後の訴追が可能)」。ロッキード事件で総理の同意拒否権の性格が論じられた点も発展的に。
・C:不適切。同意の主体は内閣総理大臣であり、国会ではない。

関連過去問:H29,問5/R7,問6


タイトルとURLをコピーしました