行政書士 憲法 初級編(7〜9問)|財政・地方自治

重要度:B 論点:国費の支出と国会の議決

問7:財政に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:決算は、内閣が作成し、会計検査院の検査を経ることなく国会に提出される
  • B:皇室の費用は、予算に計上する必要がない
  • C:国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを必要とする
【第7問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。決算は会計検査院がこれを検査し、内閣は次の年度に検査報告とともに国会に提出する(90条1項)。
・B:不適切。すべて皇室財産は国に属し、すべて皇室の費用は予算に計上して国会の議決を経なければならない(88条)。
・C:適切。85条(財政国会中心主義の表れ)である。【試験対策】「83条(財政処理の基本原則)→84条(租税法律主義)→85条(支出・債務負担)→86条(予算)→87条(予備費)→90条(決算・会計検査院)」の条文の流れごと覚える。

関連過去問:R5,問7


重要度:A 論点:地方公共団体の機関・住民投票

問8:地方自治に関する憲法上の記述として適切なものはどれか。

  • A:地方公共団体の長は、議会が間接的に選出する
  • B:地方公共団体の長と議会の議員は、いずれもその地方公共団体の住民が直接選挙する
  • C:一の地方公共団体のみに適用される特別法は、国会の議決のみで制定することができる
【第8問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。長も住民の直接選挙による(93条2項)。国の議院内閣制との違い。
・B:適切。93条2項(二元代表制)である。【試験対策】国政(議院内閣制=首相は国会が指名)との対比で「地方=長も直接公選の二元代表制」。
・C:不適切。地方自治特別法は、その地方公共団体の住民の投票において過半数の同意を得なければ制定できない(95条)。

関連過去問:-


重要度:A 論点:条例による財産権制限

問9:条例と法律の関係に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:財産権の内容は法律で定めるとされているが(29条2項)、条例による財産権の規制も、法律の範囲内で許される場合がある
  • B:憲法84条の定める租税法律主義の帰結として、地方公共団体が条例によって地方税を賦課徴収することは許されないと解されている
  • C:憲法31条により、条例で罰則を定めることは一切できない
【第9問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。奈良県ため池条例事件(最大判昭38.6.26)は、ため池の破損・決壊による災害を防止するため、条例により堤とうの使用を制限することを憲法29条に反しないとした。ただし、条例であれば一般に財産権を自由に制限できるという趣旨ではなく、法律の範囲内で、規制目的や必要性、内容等に照らして判断される。【試験対策】判例は、災害防止という社会生活上やむを得ない必要を重視した。
・B:不適切。地方公共団体は自治権の一環として課税権を持ち、条例による地方税の賦課徴収は84条に反しない(判例も地方税条例主義を前提とする)。
・C:不適切。条例による罰則が一切禁止されるわけではない。大阪市売春取締条例事件は、当時の地方自治法が対象事項を相当具体的に定め、罰則の範囲を限定していたこと等を踏まえ、条例による罰則を憲法31条に反しないとした。

関連過去問:R7,問22/H29,問4


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