重要度:A 論点:告知と聴聞
問10:第三者所有物没収事件(最大判昭37.11.28)に関する記述として適切なものはどれか。
- A:この判決は、被告人は第三者の権利侵害を理由に違憲を主張できないとした
- B:没収の対象が第三者の所有物である場合、その第三者に手続保障を与える必要はない
- C:所有者に告知・弁解・防御の機会を与えることなく第三者の所有物を没収することは、憲法31条・29条に違反する
【第10問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。判例は、被告人が第三者所有物の没収に関する違憲性を主張することを認めた。没収は被告人に科される付加刑であり、その言渡しの適否は被告人自身の刑事裁判に直接関係するためである。
・B:不適切。所有物を没収される第三者にも告知・弁解・防御の機会が必要である。
・C:適切。第三者の所有物を没収する場合、その第三者に対して、あらかじめ告知し、弁解・防御の機会を与えなければならない。これらの機会を与えずに第三者の所有物を没収することは、憲法31条および29条に違反する。また、没収は被告人に対して科される付加刑であり、第三者所有物の没収の成否は被告人の刑事裁判に直接関係するため、被告人もその違憲性を主張できる。【試験対策】「第三者にも告知・弁解・防御の機会が必要」「被告人も違憲主張できる」の二点を押さえる。
関連過去問:R4,問5
重要度:A 論点:39条
問11:憲法39条に関する記述として適切なものはどれか。
- A:実行の時に適法であった行為について、事後に制定された法律により刑事上の責任を問うことは許されない
- B:判例変更により行為時の判例では無罪となるべき行為を処罰することは、憲法39条に違反する
- C:同一の犯罪について、確定判決の後に再び刑事上の責任を問うことも、新たな証拠があれば許される
【第11問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。遡及処罰の禁止(事後法の禁止)である。【試験対策】39条の3内容=「遡及処罰禁止・一事不再理・二重処罰禁止」。行為時に適法だった行為の処罰禁止が核心。
・B:不適切。判例は、行為時の判例に従えば無罪となるべき行為を、判例変更後に処罰しても39条に違反しないとする(判例は「法律」ではないため)。
・C:不適切。一事不再理(無罪確定後の再訴追の禁止)に反する。なお有罪確定者に有利な再審は禁止されない。
関連過去問:R7,問9
重要度:B 論点:刑事被告人の権利
問12:刑事手続上の権利に関する記述として適切なものはどれか。
- A:黙秘権の保障は、氏名のような不利益とはいえない事項にも及ぶとするのが判例である
- B:何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合でも、有罪とされることがある
- C:強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、証拠とすることができない
【第12問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。判例は、氏名は原則として不利益な事項にあたらず、黙秘権の保障は及ばないとする。
・B:不適切。本人の自白が唯一の証拠である場合には有罪とされない(38条3項・補強法則)。
・C:適切。自白排除法則(38条2項)である。【試験対策】38条の構造=「1項:供述拒否権(黙秘権)/2項:任意性のない自白の排除/3項:自白の補強法則」。
関連過去問:-
