重要度:A 論点:内閣の組織
問7:内閣の組織に関する記述として適切なものはどれか。
- A:内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名されるが、その他の国務大臣は過半数が国会議員であれば足りる
- B:内閣総理大臣は、憲法上、衆議院議員の中から国会の議決で指名しなければならないとされている
- C:国務大臣は、その過半数が文民であれば足り、全員が文民である必要はない
【第7問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。67条・68条である。【試験対策】「総理=国会議員(衆参を問わない)/その他の大臣=過半数が国会議員・全員が文民(66条2項)」の数字と範囲。
・B:不適切。「国会議員の中から」であり、参議院議員でもよい(慣行上は衆議院議員だが憲法上の要請ではない)。
・C:不適切。内閣総理大臣その他の国務大臣は、全員が文民でなければならない(66条2項)。
関連過去問:H29,問5/R7,問6
重要度:A 論点:内閣の権限(73条)
問8:内閣の職務に関する記述として適切なものはどれか。
- A:内閣は、外交関係の処理の一環として条約締結権を有しており、事前・事後を問わず国会の承認を経ることなく、単独で条約を締結する完全な権限を有すると解されている
- B:大赦・特赦・減刑等の恩赦の決定は天皇の国事行為に専属する権限であり、内閣はこれに関与しない
- C:内閣は、法律の規定を実施するために政令を制定することができるが、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない
【第8問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。条約の締結には、事前又は事後に国会の承認を経ることが必要である(73条3号)。
・B:不適切。恩赦(大赦・特赦等)の決定は内閣の職務であり(73条7号)、天皇はその認証を行う(7条6号)。決定と認証の区別。
・C:適切。内閣は、憲法および法律の規定を実施するために政令を制定することができる(憲法73条6号)。
ただし、政令には、特に法律の委任がある場合を除き、罰則を設けることができない(同号ただし書)。
また、内閣法11条は、政令には法律の委任がなければ、義務を課し、または権利を制限する規定を設けることができないと定めている。
【試験対策】
・罰則の制限=憲法73条6号ただし書
・義務を課し、権利を制限する規定の制限=内閣法11条
と区別する。
関連過去問:R4,問6/R7,問7
重要度:B 論点:独立行政委員会
問9:行政権と独立行政委員会に関する記述として適切なものはどれか。
- A:人事院や公正取引委員会のように内閣から独立して職権を行う行政委員会も、一定の理解の下では憲法65条に違反しないと解されている
- B:行政権はすべて内閣に専属し内閣の指揮監督下になければならないため、内閣から独立して職権を行う行政機関の存在は憲法65条上一切許されない
- C:独立行政委員会の委員は、国会が直接任命する
【第9問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。独立行政委員会の合憲性について、最高裁判所が一般的な判断を示した判例があるわけではないが、内閣から一定の独立性を有する行政委員会も、憲法65条に当然に違反するものではないとするのが通説的な見解である。
憲法65条は、すべての行政作用について内閣が個別具体的に直接指揮監督することまで要求するものではなく、政治的中立性、公正性または専門技術性が特に求められる行政分野では、法律に基づき、組織、人事、予算等について民主的統制を確保しながら、個別の職権行使に一定の独立性を認めることが許されると解されている。
ただし、内閣その他の民主的統制から完全に独立し、何らの統制も受けない行政機関まで当然に許容されるわけではない。
・B:不適切。政治的中立性・専門性を要する分野(人事・警察・選挙管理等)では独立の委員会が認められると解するのが通説。
・C:不適切。独立行政委員会の委員を国会が直接任命するという一般的な制度が採られているわけではない。委員の任命主体や国会同意の要否は、各行政委員会の設置法によって異なる。例えば、内閣または内閣総理大臣が国会の同意を得て任命する制度などが設けられている。
関連過去問:H19,問4
