行政書士 憲法 初級編(7〜9問)|精神的自由

重要度:A 論点:思想・良心の自由

問7:思想・良心の自由に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:謝罪広告の強制は、単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するにとどまる程度のものであれば、良心の自由を侵害しない
  • B:思想・良心の自由は、それが内心の領域にとどまる限りにおいても、公共の福祉による必要最小限度の制約に服する
  • C:企業が労働者の採用にあたり思想・信条を調査することは、憲法19条に直接違反する
【第7問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。謝罪広告事件(最大判昭31.7.4)である。【試験対策】19条の保障の核心=「内心の絶対的保障・沈黙の自由・不利益取扱いの禁止」。謝罪広告は「単なる陳謝の表明」の限度で合憲という限定付きの結論。
・B:不適切。内心にとどまる限り、思想・良心の自由は絶対的に保障される(制約の余地がない)。
・C:不適切。三菱樹脂事件は、憲法の人権規定は私人間に直接適用されず、企業には契約締結の自由があるため、思想信条を理由とする雇入れ拒否も当然に違法ではないとした。

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重要度:A 論点:表現の自由(事前抑制・明確性)

問8:表現の自由の規制に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:税関検査は、思想内容等の網羅的一般的な審査であるため、検閲にあたり違憲である
  • B:表現行為を規制する法律の文言が不明確であっても、そのことだけで違憲となることはない
  • C:出版物の頒布等の事前差止めは、厳格かつ明確な要件の下においてのみ許容される
【第8問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。税関検査事件は、検閲を「行政権が主体・思想内容等の表現物・発表前の網羅的一般的審査・発表禁止目的」と厳格に定義した上で、税関検査は国外で既に発表済みであること等から検閲にあたらず合憲とした。
・B:不適切。漠然不明確な規制は萎縮効果を生むため、明確性の原則(徳島市公安条例事件の「通常の判断能力を有する一般人の理解」基準)による審査を受ける。
・C:適切。北方ジャーナル事件(最大判昭61.6.11)である。【試験対策】事前抑制の原則的禁止と、名誉毀損での差止め許容要件(表現内容が真実でなく又は専ら公益目的でないことが明白+重大で著しく回復困難な損害)をセットで。

関連過去問:R5,問41


重要度:A 論点:学問の自由・大学の自治

問9:学問の自由に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:大学における学生の集会が、真に学問的な研究・発表のためのものでなく実社会の政治的社会的活動にあたる場合、大学の自治の保障(自由と自治)を享有しない
  • B:普通教育(小中高)の教師にも、大学の教授その他の研究者と完全に同等の教授の自由が保障されるとするのが旭川学テ事件の判例である
  • C:学問の自由の保障には、大学の自治は含まれない
【第9問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。東大ポポロ事件(最大判昭38.5.22)である。【試験対策】「学問研究・発表・教授の自由+制度的保障としての大学の自治」の構造と、ポポロ事件の「政治的社会的活動には自治の保障が及ばない」という限定。
・B:不適切。旭川学テ事件は、普通教育の教師にも一定の範囲で教授の自由が認められるとしつつ、児童生徒の批判能力の欠如や教育の機会均等の要請から「完全な教授の自由は認められない」とした。
・C:不適切。大学の自治は学問の自由(23条)の制度的保障として含まれると解されている(人事の自治・施設管理の自治・学生管理の自治)。

関連過去問:H30,問4


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