重要度:A 論点:報道の自由と取材の自由
問4:博多駅テレビフィルム提出命令事件における報道・取材の自由の位置づけとして適切なものはどれか。
- A:報道の自由・取材の自由とも、憲法21条の保障のもとにあると明言された
- B:報道の自由は憲法21条の保障のもとにあるが、取材の自由は21条の精神に照らし十分尊重に値するとされた
- C:報道の自由は尊重に値するにとどまり、取材の自由が21条の保障のもとにあるとされた
【第4問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。取材の自由については「保障のもとにある」とは明言されず、「尊重に値する」という表現にとどめられた。
・B:適切。「保障」(報道の自由)と「尊重に値する」(取材の自由)の表現の使い分けが本判例の最重要ポイントである。【試験対策】この言い回しの違いはそのまま択一の正誤を分ける。原文の表現レベルで暗記する価値がある。
・C:不適切。両者の位置づけが逆である。
関連過去問:R7,問4
重要度:A 論点:集会の自由(泉佐野市民会館事件)
問5:公の施設における集会の利用拒否について、泉佐野市民会館事件の基準として適切なものはどれか。
- A:危険な事態を生ずる蓋然性があれば利用を拒否できる
- B:主催団体に反対する者らが騒ぎを起こすおそれがあれば、主催者側に責任がなくても当然に利用を拒否できる
- C:人の生命・身体・財産が侵害され公共の安全が損なわれる明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見される場合に限り利用を拒否できる
【第5問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。単なる「蓋然性」では足りないと判例は明言している。より厳格な基準が要求される。
・B:不適切。反対派の妨害(敵意ある聴衆)を理由とする拒否は原則として許されないと解されている(上尾市福祉会館事件参照)。
・C:適切。「明らかな差し迫った危険」の「具体的予見」という厳格な基準である。【試験対策】集会の自由の優越性から基準が厳格化されている。『蓋然性で足りる』とする肢は定番の誤り。
関連過去問:-
重要度:A 論点:信教の自由(剣道実技拒否事件)
問6:剣道実技拒否事件(エホバの証人)の判旨として適切なものはどれか。
- A:信仰上の理由による剣道実技の拒否に代替措置を認めることは特定の宗教への便宜供与として政教分離原則に反するため、退学処分は適法とされた
- B:代替措置を何ら検討せずに行われた原級留置・退学処分は、考慮すべき事項を考慮しておらず、裁量権の範囲を超え違法とされた
- C:学校側には代替措置を採る義務はなく、処分は学長の自由裁量に属するとされた
【第6問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。判例は、代替措置を採ることが政教分離に反するとはいえないと述べており、政教分離を処分正当化の理由とする主張を退けている。
・B:適切。裁量権の逸脱・濫用の枠組み(社会観念上著しく妥当を欠く)で処分を違法とした。【試験対策】信教の自由の侵害を正面から認定したのではなく、行政裁量の統制という行政法的な手法で救済した点が特徴。行政法の裁量論とつながる判例。
・C:不適切。処分が裁量に属するとしても、その行使が社会観念上著しく妥当を欠く場合は違法となる。本件はまさにその場合とされた。
関連過去問:H21,問5
