行政書士 憲法 初級編(4〜6問)|財政・地方自治

重要度:A 論点:地方自治の本旨

問4:地方自治の本旨に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:地方自治の本旨とは、住民自治(民主主義的要素)と団体自治(自由主義的・分権的要素)の二要素をいう
  • B:住民自治とは、地方公共団体が国から独立した団体として自らの事務を処理することをいうとされる
  • C:団体自治とは、地方自治が住民自身の意思に基づいて民主的に行われることをいうとされる
【第4問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。92条の解釈として確立した二要素である。【試験対策】直接請求や住民投票は住民自治の、条例制定権や課税権は団体自治の表れ、というように具体的制度をどちらの要素に紐づけるかまで問われる。
・B:不適切。これは団体自治の説明である。二つの要素の定義を入れ替えた肢。
・C:不適切。これは住民自治の説明である。

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重要度:A 論点:条例制定権の限界

問5:条例と法律の関係に関する徳島市公安条例事件の判旨として適切なものはどれか。

  • A:条例が法令に違反するかは、対象事項と規定文言が重複するか否かのみによって形式的に決すべきである
  • B:国の法令と同一目的の規制について、条例が法令より厳しい基準を定めること(上乗せ条例)は、いかなる場合も許されない
  • C:条例が法令に違反するかは、両者の趣旨・目的・内容・効果を比較し、矛盾抵触があるかどうかによって決すべきである
【第5問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。判例は文言の対比のみによる形式的判断を明確に否定した。
・B:不適切。法令が全国一律の規制を意図せず、地方の実情に応じた別段の規制を容認する趣旨と解されるときは、同一目的の上乗せ規制も許されうる。「いかなる場合も」が誤り。
・C:適切。実質的判断の枠組みを示した最重要判例である。【試験対策】この基準は地方自治法の条例制定権(行政法)でそのまま再出題される横断論点。「別目的なら原則OK・同一目的でも法令の趣旨次第で上乗せ可」の場合分けまで。

関連過去問:R7,問22


重要度:A 論点:条例と罰則・課税

問6:条例による罰則・課税に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:条例で罰則を定めるには、法律の授権が相当な程度に具体的であり限定されていれば足りるとするのが判例である
  • B:条例は住民の代表機関が制定するものであるため、法律の授権が一切なくても罰則を設けることができるとするのが判例である
  • C:神奈川県臨時特例企業税事件は、地方公共団体の課税権は憲法上完全に自由であり、地方税法に反する条例も有効とした
【第6問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。大阪市売春取締条例事件(最大判昭37.5.30)は、条例が公選議員で組織する地方議会の議決を経る自治立法であることから、条例で刑罰を定める場合、法律の授権は相当な程度に具体的かつ限定的であれば足りるとした。本件では、当時の地方自治法2条3項7号・1号が対象事項を相当具体的に定め、同法14条5項が刑罰の範囲を限定していたことを併せて31条違反を否定した。なお、現行法では条例で定め得る罰則の種類・上限は地方自治法14条3項に規定されている。【試験対策】本判決が授権根拠とした当時の条文(旧地方自治法2条3項・14条5項)と、現行の地方自治法14条3項(罰則の種類・上限の規定)とを混同しないよう注意する。
・B:不適切。判例は法律の授権自体は必要とする立場であり、「一切なくても」は誤り。条例の民主的性格は授権の程度を緩やかにする理由とされたにとどまる。
・C:不適切。同事件は、課税権の主体となることは憲法上予定されているとしつつ、地方税法の定める準則に反する条例(欠損金繰越控除の実質排除)を違法・無効とした。

関連過去問:R7,問22


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