重要度:A 論点:君が代関連判例の区別
問1:君が代に関する最高裁判例の説明として適切なものはどれか。
- A:ピアノ伴奏拒否事件・起立斉唱事件とも、職務命令は思想・良心の自由の制約に一切あたらないとして合憲とした
- B:起立斉唱事件は、職務命令が思想・良心の自由の「間接的な制約」となる面があることを認めた上で、必要性・合理性から合憲とした
- C:起立斉唱事件は、職務命令を思想・良心の自由の直接的制約にあたるとして違憲と判断した
【第1問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。起立斉唱事件(最判平23.5.30)は「間接的な制約となる面がある」ことを正面から認めており、「一切制約にあたらない」との説明は正確でない。
・B:適切。間接的制約を認めつつ、式典の円滑な進行等の必要性・合理性を理由に合憲とした点が、制約性への言及が薄いピアノ伴奏事件との違いである。【試験対策】2つの君が代判例は『間接的制約への言及の有無』で区別して覚える。
・C:不適切。結論は合憲であり、直接的制約とも違憲ともしていない。
関連過去問:-
重要度:A 論点:政教分離判例の判断枠組み
問2:政教分離に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:空知太神社事件は、従来の目的効果基準をそのまま厳格に適用することにより、市有地の無償提供を違憲と判断した
- B:愛媛玉串料事件は、玉串料等の公金支出を慣習化した社会的儀礼にすぎないものと認め、目的効果基準により合憲とした
- C:津地鎮祭事件は目的効果基準により地鎮祭への公金支出を合憲とし、愛媛玉串料事件は同基準により玉串料の公金支出を違憲とした
【第2問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。空知太神社事件は、従来の目的効果基準の定式をそのまま適用したのではなく、市有地の無償提供という事案に即し、宗教施設の性格、無償提供に至った経緯、提供の態様、一般人の評価などを総合考慮し、社会通念に照らして許容される限度を超えるかを判断して違憲とした。もっとも、従来の最高裁判例の判断枠組みを明示的に否定したものではない。
・B:不適切。結論が逆である。愛媛玉串料事件は、玉串料の支出は社会的儀礼とはいえず目的が宗教的意義を持つとして違憲とした。
・C:適切。同じ目的効果基準を使いながら結論が分かれた対の判例である。【試験対策】『津=合憲・愛媛=違憲(いずれも目的効果基準)・空知太=違憲(総合判断)』の3点セット。どの基準を使ったかまで問われる。
関連過去問:H28,問6
重要度:A 論点:検閲の主体
問3:憲法21条2項の「検閲」に関する判例の立場として適切なものはどれか。
- A:検閲の主体は行政権に限られ、裁判所による出版物の事前差止めは検閲にあたらない
- B:検閲の主体には裁判所も含まれるため、出版物の事前差止めは常に許されない
- C:検閲は公共の福祉を理由とする場合には例外的に許容される
【第3問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。税関検査事件の定義により検閲の主体は「行政権」である。裁判所の事前差止めは検閲にあたらないが、事前抑制として北方ジャーナル事件の厳格な要件(明白性+重大で回復困難な損害)を満たす場合にのみ許される。【試験対策】「検閲=行政権・絶対的禁止」「裁判所の差止め=検閲ではないが厳格な要件」の二段整理。
・B:不適切。判例の定義上、検閲の主体は行政権であり裁判所は含まれない。裁判所の事前差止めは要件を満たせば例外的に許される。
・C:不適切。検閲の禁止は絶対的であり、公共の福祉を理由とする例外も認められないとするのが判例である。
関連過去問:H28,問41(多肢)
