行政書士 憲法 初級編(7〜9問)|統治・裁判所

重要度:A 論点:司法権の帰属と特別裁判所

問7:司法権に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:特別裁判所の設置は禁止されるが、行政機関が前審として審判を行うことは許される
  • B:行政機関は、いかなる場合も裁判に関与することができない
  • C:家庭裁判所は、特別の人と事件を扱うため、憲法の禁止する特別裁判所にあたる
【第7問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。76条2項である。【試験対策】「特別裁判所=通常裁判所の系列から独立した裁判機関(禁止)/前審としての行政審判=可(終審でなければよい)」の区別。
・B:不適切。行政機関は「終審として」裁判を行うことができないのであり、前審としての関与は許される(76条2項後段)。
・C:不適切。家庭裁判所は通常裁判所の系列に属する下級裁判所であり、特別裁判所にあたらない(判例)。

関連過去問:-


重要度:A 論点:裁判の公開

問8:裁判の公開に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:裁判の公開は、訴訟当事者のプライバシー保護のため、当事者の合意があれば省略できる
  • B:対審は、裁判官の全員一致で公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、いかなる事件でも常に非公開とすることができる
  • C:判決は、いかなる場合も公開の法廷で行わなければならない
【第8問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。裁判の公開は制度的保障であり、当事者の合意で排除できるものではない。
・B:不適切。政治犯罪・出版に関する犯罪・国民の権利が問題となっている事件の対審は、常に公開しなければならない(82条2項ただし書)。「いかなる事件でも」が誤り。
・C:適切。82条である。【試験対策】「判決=絶対公開/対審=原則公開・全員一致で非公開可・ただし政治犯罪、出版に関する犯罪、憲法第3章の国民の権利が問題となる事件の対審は絶対公開」という三層構造。

関連過去問:R5,問4


重要度:A 論点:違憲審査の対象

問9:違憲審査に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:衆議院の解散のような直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為は、法律上の争訟として有効無効の判断が法律上可能であっても、司法審査の対象外となる
  • B:条約は、いかなる場合も違憲審査の対象とならない
  • C:国会議員の立法行為・立法不作為は、統治行為に準ずるものとして、国家賠償請求訴訟においても、その違憲性・違法性が審査の対象となることは一切ないと解されている
【第9問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。苫米地事件(最大判昭35.6.8)は、衆議院の解散のような直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為について、法律上の争訟となり、その有効・無効の判断が法律上可能であっても、司法審査の対象外となるとした。【試験対策】砂川事件は、高度の政治性を有する条約について、「一見極めて明白に違憲無効」でない限り司法審査の範囲外とした。なお、「変則型」などの呼称は学説上の整理であり、判決自身の用語ではない。
・B:不適切。砂川事件は、条約も「一見極めて明白に違憲無効」と認められる場合には審査しうることを前提とした判断枠組みを採っており、全面的な審査対象外とはしていない。
・C:不適切。在外邦人選挙権訴訟は立法不作為を国家賠償法上違法と評価し、賠償を認めた。

関連過去問:H19,問5


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