行政書士 憲法 初級編(4〜6問)|統治・国会

重要度:A 論点:国政調査権

問4:国政調査権に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:国政調査権の行使として、議院は証人の逮捕・捜索・押収を行うことができる
  • B:国政調査権は、国会が国権の最高機関であることに由来する独立の権能であるため、司法権・検察権を含むあらゆる国政に対して無制限に及ぶ
  • C:国政調査権は議院の権能を実効化するための補助的権能と解されており、裁判官の訴訟指揮や判決内容の当否を批判する目的の調査は司法権の独立を侵し許されない
【第4問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。国政調査の強制手段は証人の出頭・証言・記録の提出の要求にとどまり(議院証言法)、逮捕・捜索・押収などの強制処分はできない。
・B:不適切。独立権能説は通説ではなく、また通説・実務とも司法権の独立等による限界を認めている。「無制限」という表現も誤り。
・C:適切。国政調査権は、両議院が立法、予算議決、行政監督その他の権能を実効的に行使するための補助的権能であると解するのが通説である。

司法権の独立との関係では、裁判所に係属中の事件について、裁判官の訴訟指揮など裁判手続そのものを調査したり、判決内容の当否を批判すること自体を目的として調査したりすることは許されないと解される。他方、立法または行政監督など裁判とは異なる目的で、裁判と並行して事実関係を調査することが直ちに禁止されるわけではない。

【試験対策】国政調査権には、司法権の独立、検察権の独立、基本的人権の保障などによる限界がある。

関連過去問:R5,問6


重要度:A 論点:特別多数の場面

問5:憲法上「出席議員の3分の2以上」の多数を要する場合として適切なものはどれか。

  • A:憲法改正の発議
  • B:法律案の衆議院における再可決
  • C:内閣不信任決議案の可決
【第5問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。憲法改正の発議は「各議院の総議員の3分の2以上」であり、母数が出席議員ではなく総議員である点で異なる(96条)。
・B:適切。59条2項の再可決は出席議員の3分の2以上である。ほかに資格争訟裁判での議席喪失(55条)、秘密会の開催(57条)、議員の除名(58条2項)がある。【試験対策】出席2/3の4場面+総議員2/3の憲法改正、の「4+1」で整理。母数のすり替えが定番のひっかけ。
・C:不適切。内閣不信任決議は通常の表決(出席議員の過半数)で足りる(69条に特別多数の定めはない)。

関連過去問:H28,問5


重要度:A 論点:緊急集会

問6:参議院の緊急集会に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:緊急集会は、参議院議員の4分の1以上の要求により開かれる
  • B:緊急集会で採られた措置は臨時のものであり、次の国会開会後10日以内に衆議院の同意がなければ将来に向かって効力を失う
  • C:緊急集会で採られた措置について衆議院の同意が得られなかった場合、その措置は遡って無効となる
【第6問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。緊急集会を求めることができるのは内閣のみである(54条2項)。議員の要求で開かれるのは臨時会の召集要求(53条・総議員の4分の1以上)であり、混同させる肢である。
・B:適切。54条3項の内容である。【試験対策】「求めるのは内閣だけ・10日以内の衆議院の同意・効力は将来に向かって失う」の3点。臨時会の召集要求(議員側から可能)との対比で覚える。
・C:不適切。効力を失うのは「将来に向かって」であり、遡及的に無効となるのではない。

関連過去問:R7,問5


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