行政書士 憲法 初級編(10〜12問)|精神的自由

重要度:A 論点:表現の自由と名誉毀損

問10:名誉毀損的表現の免責に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:公共の利害に関する事実については、真実かどうかを問わず、常に免責される
  • B:名誉毀損表現は、真実性の証明に成功した場合に限り免責され、真実と誤信したことに相当の理由があっても免責されない
  • C:事実が真実であることの証明がない場合でも、行為者が真実であると誤信し、その誤信に確実な資料・根拠に照らし相当の理由があるときは、名誉毀損の罪は成立しない
【第10問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。公共性・公益目的に加えて真実性(又は真実相当性)の要件が必要である。
・B:不適切。判例は誤信に相当の理由がある場合の免責を認め、表現の自由への萎縮効果を防いでいる。
・C:適切。相当性の法理(夕刊和歌山時事事件・最大判昭44.6.25)である。【試験対策】刑法230条の2(公共性・公益目的・真実性)+判例による「真実相当性」の拡張、という二段構えで表現の自由と名誉権を調整する構造。

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重要度:B 論点:アクセス権

問11:マスメディアへのアクセス権に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:新聞に批判記事を掲載された者が、憲法21条を直接の根拠として反論文の無料掲載を求めることは、認められない
  • B:判例は、憲法21条の規定から直接に、明文の規定を待つまでもなく反論権(アクセス権)を認めている
  • C:アクセス権を認めても、新聞社の編集の自由・表現の自由と衝突するおそれはないとされる
【第11問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。サンケイ新聞事件(最判昭62.4.24)である。【試験対策】反論権制度は「公的な事項に関する批判的記事の掲載を躊躇させ、表現の自由を間接的に侵害するおそれ」があるため、具体的な法律なしには認められない、という理由づけまで。
・B:不適切。判例は具体的な成文法がない以上、反論文掲載請求権は認められないとした。
・C:不適切。反論権を認めることは新聞社の紙面編集の自由への制約となる。この緊張関係こそが否定の理由である。

関連過去問:R7,問4


重要度:A 論点:政教分離の判例仕分け

問12:政教分離に関する判例の結論として適切なものはどれか。

  • A:県が靖国神社に玉串料等を公金から支出したことは、合憲とされた
  • B:市が体育館の起工に際して神式の地鎮祭を挙行し公金を支出したことは、合憲とされた
  • C:市が孔子廟に公園の敷地を無償で提供したことは、合憲とされた
【第12問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。愛媛玉串料事件(最大判平9.4.2)は違憲とした。玉串料の奉納は社会的儀礼とはいえないとされた。
・B:適切。津地鎮祭事件(最大判昭52.7.13)は、慣習化した社会的儀礼として目的効果基準により合憲とした。【試験対策】「津地鎮祭=合憲/愛媛玉串料=違憲/空知太=違憲/孔子廟=違憲」の結論仕分けが最頻出。世俗的儀礼か宗教的意義の強い行為かが分かれ目。
・C:不適切。孔子廟事件(最大判令3.2.24)は、空知太神社事件の総合考慮の枠組みにより違憲とした。

関連過去問:H28,問6


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