重要度:A 論点:裁判官の身分保障
問4:裁判官の身分保障に関する記述として適切なものはどれか。
- A:裁判官の懲戒処分は、司法権の独立にかかわらず、行政機関である内閣が行うことができる
- B:裁判官が罷免されるのは、心身の故障の裁判、公の弾劾、最高裁裁判官の国民審査の場合に限られる
- C:裁判官の報酬は、国会の議決さえあれば、在任中であっても減額することができるとされている
【第4問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。行政機関による裁判官の懲戒は憲法78条後段が明文で禁止している。懲戒は裁判所が分限裁判により行う。
・B:適切。罷免事由は限定列挙であり、これ以外の事由(例:勤務成績不良)による罷免は許されない。【試験対策】「罷免3事由+懲戒は裁判所+報酬減額禁止」が身分保障の3本柱。
・C:不適切。裁判官の報酬は在任中減額できない(79条6項・80条2項)。国会議員の歳費に減額禁止がないことと対比される。
関連過去問:H28,問3
重要度:A 論点:裁判官の任命
問5:裁判官の任命に関する記述として適切なものはどれか。
- A:最高裁判所の長たる裁判官は内閣が任命し、その他の最高裁判所の裁判官は天皇が国事行為として任命する
- B:下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって内閣が任命し、任期は10年で再任されることができる
- C:下級裁判所の裁判官は、内閣の作成した名簿によって最高裁判所が任命する
【第5問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。逆である。最高裁長官は内閣の指名に基づき天皇が任命し(6条2項)、その他の最高裁裁判官は内閣が任命する(79条1項)。
・B:適切。80条1項の内容である。【試験対策】「長官=内閣指名・天皇任命」「その他最高裁判事=内閣任命」「下級裁=最高裁の名簿・内閣任命・任期10年」の3パターンを表にして区別。任命権者の入れ替えが定番ひっかけ。
・C:不適切。名簿を作成するのは最高裁判所、任命するのは内閣であり、役割が逆である。司法の自主性と民主的コントロールの調和の仕組みである。
関連過去問:H28,問3
重要度:A 論点:国民審査
問6:最高裁判所裁判官の国民審査に関する記述として適切なものはどれか。
- A:国民審査は、任命後初めて行われる参議院議員通常選挙の際に行われる
- B:判例は国民審査の法的性質を、内閣による任命行為を完成・確定させるための事後の信任投票の制度であると解している
- C:判例は国民審査の法的性質を解職(リコール)の制度と解しており、在外国民に審査権の行使を認めていなかったことを違憲とした判例もある
【第6問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。国民審査が行われるのは衆議院議員総選挙の際である(79条2項)。参議院選挙とのすり替えに注意。
・B:不適切。判例(最大判昭27.2.20)は信任投票ではなく解職の制度と解した。この性質決定から、白票(×印のないもの)を罷免を可としない票として扱うことが正当化される。
・C:適切。解職制度説が判例である。在外国民の審査権については最大判令4.5.25が違憲と判断しており、在外邦人選挙権訴訟(平17)と並ぶ重要判例である。【試験対策】「衆院総選挙の際・解職制度・在外国民違憲判決」の3点で最新判例まで押さえる。
関連過去問:H28,問3
