行政書士 憲法 初級編(7〜9問)|経済的自由・人身の自由

重要度:A 論点:公衆浴場の適正配置規制

問7:公衆浴場の適正配置規制に関する最高裁判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:公衆浴場の距離制限は薬局の距離制限と同じ理由により、判例上一貫して違憲とされている
  • B:公衆浴場が住民の日常生活に欠くことのできない公共的施設であり、その維持・確保や衛生水準の維持を図る必要があることなどから、判例は適正配置規制を合憲としている
  • C:判例は、公衆浴場の距離制限が既存業者の利益だけを保護するものであり、国民保健や環境衛生とは無関係であるとして違憲とした
【第7問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。薬局の距離制限は違憲とされたが、公衆浴場の適正配置規制は合憲とされている。規制対象となる業種の公共性や、規制目的・必要性などを個別に検討する必要があり、薬局距離制限事件の結論が当然に公衆浴場へ及ぶものではない。
・B:適切。最高裁判所は、公衆浴場が住民の日常生活に欠くことのできない公共的施設であり、その維持・確保を図る必要があること、過度な競争による経営悪化が施設の廃止や衛生設備の低下につながるおそれがあることなどを考慮し、適正配置規制を憲法22条1項に違反しないとした。【試験対策】「薬局の距離制限=違憲/公衆浴場の距離制限=合憲」と、規制対象・目的の違いを区別する。
・C:不適切。判例は、適正配置規制を単なる既存業者の利益保護として捉えたのではなく、公衆浴場という公共的施設の維持・確保や、国民保健・環境衛生との関連を考慮している。

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重要度:B 論点:居住移転・職業選択以外の22条

問8:憲法22条に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:海外渡航の自由は、憲法22条2項の「外国に移住する自由」に含まれるとするのが判例である
  • B:国籍離脱の自由には、無国籍になる自由も含まれる
  • C:居住・移転の自由は、経済的自由としての性格のみを有し、人身の自由や精神的自由との関連性はない
【第8問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。帆足計事件(最大判昭33.9.10)である。【試験対策】旅券発給拒否(外務大臣の裁量)の合憲性とセットで。「著しくかつ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれ」という要件の明確性も争点となった。
・B:不適切。22条2項の国籍離脱の自由に、無国籍になる自由は含まれないと解されている(国籍法も他国籍の取得を離脱の要件とする)。
・C:不適切。居住・移転の自由は沿革的には経済的自由だが、身体の拘束を解く意味(人身の自由)や、移動による見聞・交流(精神的自由)の側面も併有する複合的性格と説かれる。

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重要度:A 論点:人身の自由(31条・刑事手続)

問9:人身の自由に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:憲法31条の法定手続の保障は、手続が法律で定められるだけでなく、その法律の定める手続が適正であること、さらに実体もまた法律で適正に定められることを要求すると解されている
  • B:第三者の所有物を没収する場合であっても、その第三者に対して告知・弁解・防御の機会を与える必要はなく、これを与えずに没収しても憲法31条・29条に違反しない
  • C:黙秘権の保障は、氏名のような不利益事項に該当しない事項にも及ぶ
【第9問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。31条の保障範囲(手続の法定+手続の適正+実体の法定+実体の適正)の通説的理解である。【試験対策】告知と聴聞を適正手続の中核とする第三者所有物没収事件と結びつけて覚える。
・B:不適切。第三者所有物没収事件(最大判昭37.11.28)は、所有者に告知・弁解・防御の機会を与えずに没収することは31条・29条に違反するとした。
・C:不適切。判例は、氏名は原則として不利益な事項にあたらず、黙秘権の保障は及ばないとする。

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