重要度:B 論点:新しい人権(自己決定・環境)
問7:幸福追求権(13条)に関する記述として適切なものはどれか。
- A:判例は、個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を認めている
- B:判例は、環境権を憲法13条・25条に基づく具体的権利として正面から認めている
- C:エホバの証人輸血拒否事件において、最高裁は輸血拒否の意思決定を人格権の内容として尊重すべきものとは認めなかった
【第7問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。指紋押なつ拒否事件(最判平7.12.15)である。【試験対策】13条から導かれた自由の判例リスト=「容ぼう等の撮影(京都府学連)・指紋押なつ・前科等・個人情報(住基ネット・早稲田大名簿)」。
・B:不適切。最高裁は環境権を独立の権利として正面から認めた判例を持たない。
・C:不適切。最判平12.2.29は、輸血を拒否する意思決定を人格権の一内容として尊重されるべきものとし、説明を怠った病院側の不法行為責任を認めた。
関連過去問:H27,問3
重要度:A 論点:平等(議員定数不均衡)
問8:議員定数不均衡に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:参議院議員選挙には、投票価値の平等の要請は一切及ばない
- B:投票価値の不平等により定数配分規定が違憲とされた場合、判例は公職選挙法204条の選挙無効訴訟において当該選挙を無効とする判決を下してきた
- C:衆議院議員選挙について、投票価値の不平等が合理的に是認できない程度に達し、かつ合理的期間内に是正されなかった場合、定数配分規定は違憲となる
【第8問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。参議院にも投票価値の平等の要請は及ぶ(半数改選制等から較差の許容幅が広く解されてきたが、近年は厳格化の傾向で違憲状態判決もある)。
・B:不適切。違憲と判断した場合も、事情判決の法理により選挙自体は無効とされていない。
・C:適切。昭和51年大法廷判決の枠組み(違憲状態→合理的期間→違憲)である。【試験対策】「違憲状態と違憲の二段階+事情判決の法理(選挙自体は無効としない)」の構造が核心。
関連過去問:H26,問5
重要度:A 論点:教育を受ける権利
問9:教育を受ける権利(26条)に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:旭川学テ事件判決は、国は必要かつ相当と認められる範囲において教育内容についても決定する権能を有するとした
- B:義務教育の無償(26条2項)は、授業料のほか、教科書代・学用品代など就学に必要な一切の費用の無償を憲法上保障する趣旨である
- C:子どもの教育内容を決定する権能は、親と教師にのみ帰属し、国は一切関与できない
【第9問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。旭川学テ事件(最大判昭51.5.21)である。【試験対策】「国民教育権説と国家教育権説はいずれも極端」とした上で、親・教師・国それぞれに一定の権能を配分した折衷的枠組み。
・B:不適切。判例は26条2項の無償を「授業料の無償」の意味と解する(教科書は法律により無償化されているが憲法上の要請ではない)。
・C:不適切。判例は国にも必要かつ相当な範囲での教育内容決定権能を認めた。
関連過去問:-
