行政書士 民法 初級編(4〜6問)|親族

重要度:A 論点:普通養子と特別養子

問4:養子縁組に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:特別養子縁組の養子となる者は、原則として縁組の請求時に15歳未満でなければならない
  • B:普通養子縁組が成立すると、養子と実方の父母との親族関係は終了する
  • C:自己の直系卑属(孫)を普通養子とする場合にも、家庭裁判所の許可が必要である
【第4問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。令和元年改正により対象年齢が6歳未満から原則15歳未満に引き上げられた(817条の5)。【試験対策】普通と特別の対比表(成立方法・実方との関係・年齢・離縁)を作って一括暗記。
・B:不適切。実方との親族関係が終了するのは特別養子である。普通養子では実方との関係も存続する(相続権・扶養義務が二重に生じる)。
・C:不適切。未成年者を養子とするには家裁の許可が必要だが、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は不要である(798条ただし書)。

関連過去問:R2,問35


重要度:A 論点:利益相反行為

問5:親権者Aが、自己の借金の担保として、未成年の子B所有の不動産に抵当権を設定した。この行為に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:親権者には子の財産に関する包括的な代理権が認められているため、この抵当権設定は利益相反の問題を生じず有効である
  • B:この行為は利益相反行為にあたるため、Aは家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければならず、これに反してAが代理して行った設定行為は無権代理行為となる
  • C:利益相反行為にあたるかどうかは、行為の外形ではなく、親権者Aの動機や意図を考慮して実質的に判断されるとするのが判例である
【第5問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。親権者と子との利益が相反する行為については、親権者は子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない(826条1項)。特別代理人によらずにされた行為は当然に有効となるものではなく、無権代理行為となる(最判昭46.4.20)。
・B:適切。親の債務のために子の財産へ抵当権を設定する行為は、行為の外形上、親権者と子との利益が相反するため、特別代理人の選任が必要となる(826条1項)。特別代理人によらずにされた行為は無権代理行為となり、子が成年に達した後に追認することができる(最判昭46.4.20)。【試験対策】無効や取消しではなく「無権代理」となる点が問われる。
・C:不適切。判例は行為の外形から客観的・形式的に判断する(外形説)。動機が子の利益のためでも、外形上利益相反なら該当する。

関連過去問:H26,問35


重要度:B 論点:婚姻の無効・取消し

問6:婚姻の無効および取消しに関する記述として適切なものはどれか。

  • A:当事者間に婚姻をする意思がないときは、婚姻は無効である
  • B:重婚の禁止に違反した婚姻は、当然に無効である
  • C:婚姻の取消しの効力は、婚姻の時に遡って生じる
【第6問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。742条1号である。【試験対策】婚姻の無効事由は、①人違いその他の事由により当事者間に婚姻意思がない場合と、②当事者が婚姻の届出をしない場合である。ただし、婚姻の届出が739条2項所定の方式を欠くだけであるときは、そのことのみを理由として婚姻は無効にならない(742条2号ただし書)。重婚・近親婚・婚姻適齢違反などは取消事由であり、当然無効ではない。
・B:不適切。重婚は取消事由であり(744条)、取り消されるまでは有効である。
・C:不適切。婚姻の取消しは将来に向かってのみ効力を生ずる(748条1項・不遡及)。財産行為の取消し(遡及)との違い。

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