重要度:A 論点:二重譲渡と背信的悪意者
問1:Aは自己所有の土地をBに売却したが、登記はA名義のままであった。その後AはCにも同じ土地を売却しC名義の登記がされた。BC間の優劣に関する記述として適切なものはどれか。
- A:CがAB間の売買を知っていた(単純悪意)場合、Cは177条の第三者にあたらず、Bは登記なくして所有権を対抗できる
- B:Cが背信的悪意者である場合、Cから転得した善意のDも当然に177条の第三者から排除される
- C:Cが背信的悪意者である場合、Cは177条の第三者にあたらず、Bは登記なくして所有権を対抗できる
【第1問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。自由競争の範囲内にある単純悪意者は177条の第三者に含まれる。悪意でも登記を先に備えれば勝つ。
・B:不適切。背信的悪意者からの転得者は、転得者自身が背信的悪意者と評価されない限り第三者にあたる(相対的判断・最判平8.10.29)。
・C:適切。登記の欠缺を主張することが信義に反する背信的悪意者は第三者から排除される。【試験対策】「単純悪意=OK・背信的悪意=NG」の線引き。何が背信性を基礎づけるか(害意・不当な利益目的等)も押さえる。
関連過去問:-
重要度:A 論点:取消しと登記
問2:AはBの詐欺によりA所有の土地をBに売却した。Aが詐欺を理由に売買を取り消した後、BはCにこの土地を転売し、Cが登記を備えた。AC間の関係として適切なものはどれか。
- A:取消しにより契約は遡及的に無効となるから、Aは登記がなくてもCに所有権を対抗できる
- B:取消し後の第三者Cとの関係は対抗関係となり、先に登記を備えたCが優先する
- C:Cは96条3項の第三者として、善意無過失であれば登記がなくても保護される
【第2問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。遡及的無効を貫くと取引安全を害するため、判例は取消し後の関係を対抗問題として処理する。
・B:適切。取消しによる復帰的物権変動とB→Cの譲渡が二重譲渡類似の関係となり177条で処理される(判例)。【試験対策】「取消し前=96条3項(善意無過失)」「取消し後=177条(登記の先後)」。第三者の登場時期で条文が変わる。
・C:不適切。96条3項は「取消し前」に利害関係に入った第三者を保護する規定であり、取消し後に登場したCには適用されない。
関連過去問:-
重要度:A 論点:即時取得
問3:BはAから預かっていたA所有のカメラを、自分の物と偽ってCに売却した。Cの即時取得に関する記述として適切なものはどれか。
- A:Cが善意無過失であっても、占有改定による引渡しを受けたにすぎない場合、即時取得は成立しない
- B:Cが善意であれば、過失があっても即時取得は成立する
- C:このカメラが盗品であった場合でも、Aは即時取得したCに対して回復を請求することは一切できない
【第3問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。即時取得には外観上占有状態の変更を生じる占有取得が必要であり、占有改定では足りない(判例)。【試験対策】「占有改定=×・指図による占有移転=○」の判例の結論を対で覚える。
・B:不適切。即時取得の要件は平穏・公然・善意・無過失であり、無過失も必要である(192条)。
・C:不適切。盗品・遺失物の場合、被害者・遺失者は盗難・遺失の時から2年間回復請求できる(193条)。なお本問のような預託物の横領は「盗品」にあたらず特則の適用はない点も注意。
関連過去問:R2,問28
