行政書士 民法 初級編(7〜9問)|物権

重要度:A 論点:解除と登記・時効完成前の第三者

問7:不動産の物権変動と第三者に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:A所有の土地をBが占有していたところ、Bの取得時効完成「前」にAがCにその土地を譲渡して登記を移転した場合、Bは登記なくして時効取得をCに対抗できる
  • B:時効完成前に所有権を取得した第三者に対しても、時効取得者は対抗要件としての登記を備えなければ時効取得を対抗できない
  • C:解除前に利害関係に入った第三者は、対抗要件としての登記を備えていなくても常に保護される
【第7問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。時効完成前の第三者は、時効完成時の所有者=当事者類似の関係に立つため、対抗関係にならず登記不要。【試験対策】「完成前=登記不要/完成後=対抗関係(登記必要)」の時点区別は物権変動の最頻出。取消し・解除の前後区別と並べて表にする。
・B:不適切。登記が必要となるのは時効完成「後」の第三者との関係である。
・C:不適切。解除前の第三者(545条1項ただし書)が保護されるには、判例上、権利保護要件としての登記が必要とされる。

関連過去問:R5,問28


重要度:B 論点:混同・付合

問8:物権の消滅および添付に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:不動産に従として付合した動産の所有権は、付合の程度を問わず、常に元の動産の所有者に留保される
  • B:同一物について所有権と地上権が同一人に帰属した場合でも、その地上権が第三者の抵当権の目的となっているときは、地上権は消滅しない
  • C:同一物について所有権と他の物権が同一人に帰属しても、混同により物権が消滅することはいかなる場合もない
【第8問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する(242条本文・付合)。権原による附属の例外はあるが「常に留保」ではない。
・B:適切。混同の例外(179条1項ただし書)である。【試験対策】混同の原則(所有権と他物権の同一人帰属→他物権消滅)と、「その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるとき」の例外。第三者(抵当権者等)を害さない配慮である。
・C:不適切。混同は物権の消滅原因の一つである(179条)。

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重要度:C 論点:明認方法・立木

問9:立木の物権変動に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:土地に生育する立木は、明認方法を施すことにより、土地とは独立して譲渡することができる
  • B:立木は土地の定着物であるため、いかなる方法によっても土地と分離して譲渡することはできない
  • C:明認方法は、一度施せば、その後消失しても対抗力が維持される
【第9問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。立木法による登記のほか、明認方法(樹皮を削って名前を書く等)により独立の取引対象となる。【試験対策】明認方法は簡易な公示方法であり、二重譲渡の優劣も明認方法の先後で決まる。
・B:不適切。明認方法・立木登記により分離譲渡が可能である。
・C:不適切。明認方法は第三者が利害関係を取得する時点で存在していなければ対抗力が認められない(継続性が必要)。

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