行政書士 民法 初級編(1〜3問)|担保物権

重要度:A 論点:抵当権の効力の及ぶ範囲

問1:AはB所有の建物に抵当権の設定を受けた。抵当権の効力に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:抵当権設定当時から建物に備え付けられていた従物(エアコン等)には抵当権の効力は及ばない
  • B:被担保債権に不履行があった後は、抵当権の効力は建物の果実(賃料等)に及ぶ
  • C:借地上の建物に設定された抵当権の効力は、敷地の借地権には及ばない
【第1問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。抵当権設定当時に存在した従物には抵当権の効力が及ぶとするのが判例である。
・B:適切。371条の明文である。【試験対策】果実は「不履行前=及ばない/不履行後=及ぶ」の時的区分。物上代位(賃料差押え)とセットで理解する。
・C:不適切。借地権は建物の従たる権利として抵当権の効力が及ぶ(判例)。建物だけ競落しても敷地を使えなければ無意味だからである。

関連過去問:H30,問30


重要度:A 論点:物上代位

問2:AはB所有の賃貸マンションに抵当権を有している。Bの賃料債権への物上代位に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:Aは、賃料が賃借人からBに支払われた後であっても、その金銭に物上代位することができる
  • B:Bが賃料債権を第三者Cに譲渡し対抗要件を備えた後は、Aはもはや物上代位権を行使できない
  • C:Aが物上代位権を行使するには、賃料の払渡し前に自ら差押えをしなければならない
【第2問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。物上代位は払渡し又は引渡しの「前に」差押えをすることが要件である(304条)。支払後の金銭には及ばない。
・B:不適切。判例は、抵当権設定登記により公示されているため、債権譲渡後も抵当権者は差押えにより物上代位できるとする(最判平10.1.30)。
・C:適切。304条ただし書の要件であり、判例は抵当権者自身による差押えを要するとする。【試験対策】「払渡し前・自ら差押え」の2点。債権譲渡には勝てる・転貸賃料には原則届かない、という判例の広がりも段階的に押さえる。

関連過去問:H30,問30


重要度:A 論点:法定地上権

問3:法定地上権の成立に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:Aが更地に抵当権を設定した後、Aがその土地上に建物を建築し、抵当権が実行された場合であっても、建物保護の必要から法定地上権が成立する
  • B:抵当権設定当時、土地上に建物が存在し、土地と建物が同一の所有者に属していた場合において、抵当権の実行により所有者を異にするに至ったときは、法定地上権が成立する
  • C:法定地上権の成立要件の充足は、抵当権実行(競売)の時点を基準に判断される
【第3問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。更地に抵当権を設定した場合、抵当権者は更地としての担保価値を把握しているため、後に建物が建てられても法定地上権は成立しない(判例)。この場合は一括競売(389条)で対応する。
・B:適切。388条の要件そのものである。【試験対策】要件は「設定当時①建物存在+②同一所有者」。判例問題はすべてこの2要件のあてはめのバリエーションとして整理できる。
・C:不適切。判断基準時は「抵当権設定当時」である。設定後に同一所有者となっても(1番抵当権基準では)成立しない。

関連過去問:-


タイトルとURLをコピーしました