行政書士 民法 初級編(10〜12問)|債権各論(法定債権)

重要度:B 論点:名誉毀損と差止め

問10:人格権の侵害に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:名誉を違法に侵害された者は、損害賠償又は名誉回復処分を求めることができるほか、人格権としての名誉権に基づき、侵害行為の差止めを求めることができる
  • B:名誉毀損に対する救済は、金銭賠償に限られる
  • C:裁判所が判決をもって謝罪広告の掲載を命じることは、憲法19条の良心の自由を侵害するため許されないとするのが判例である
【第10問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。北方ジャーナル事件(最大判昭61.6.11)は人格権に基づく差止請求を認めた。【試験対策】救済の3本柱=「損害賠償(710条)・名誉回復処分(723条)・差止め(人格権)」。差止めは事前抑制の原則的禁止との調整(厳格な要件)も憲法との横断論点。
・B:不適切。金銭賠償のほか、名誉回復処分(723条)や差止めが認められる。
・C:不適切。単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明する程度の謝罪広告は、良心の自由を侵害しない(最大判昭31.7.4)。

関連過去問:H29,問34


重要度:A 論点:不法行為の消滅時効

問11:不法行為による損害賠償請求権の期間制限に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:人の生命・身体を害する不法行為の場合であっても、損害及び加害者を知った時からの主観的起算点の期間は3年のままである
  • B:不法行為の時から20年という期間は、時効期間ではなく除斥期間である
  • C:被害者が損害及び加害者を知った時から3年(人の生命又は身体を害する不法行為では5年)、不法行為の時から20年で時効消滅する
【第11問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。人の生命・身体を害する不法行為では、主観的起算点からの期間が5年に伸長されている(724条の2)。
・B:不適切。2020年改正により、20年の期間は「時効」であることが明文化された(改正前の判例は除斥期間としていた)。完成猶予・更新の適用がある点で被害者に有利になった。
・C:適切。724条・724条の2である。【試験対策】「3年・5年(生命身体)・20年」の3つの数字と、債務不履行構成(5年・10年※生命身体は20年)との比較表が頻出。安全配慮義務違反ならどちらの構成でも人身は手厚い。

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重要度:B 論点:近親者の慰謝料

問12:生命侵害等の場合の損害賠償に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:被害者が死亡していない場合、近親者が固有の慰謝料を請求できる余地はない
  • B:被害者の父母・配偶者・子は、被害者が死亡した場合、自己の固有の慰謝料を請求することができる
  • C:胎児には権利能力がないため、父が不法行為により死亡した場合でも、出生後に損害賠償を請求することはできない
【第12問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。判例は、死亡にも比肩しうべき精神上の苦痛を受けた場合(子の顔面に重大な傷害等)には、709条・710条により近親者固有の慰謝料請求を認める。
・B:適切。711条である。【試験対策】711条列挙外の者(内縁の配偶者・兄弟姉妹等)にも、列挙者と実質的に同視できる身分関係があり深刻な精神的苦痛を受けた場合は類推適用の余地がある(判例)。
・C:不適切。胎児は損害賠償の請求権については既に生まれたものとみなされる(721条)。

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