行政書士 民法 初級編(4〜6問)|債権総論

重要度:A 論点:債権譲渡

問4:AはBに対する債権をCに譲渡した。この債権譲渡に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:この債権に譲渡制限特約が付されていた場合、特約に反する譲渡は無効であり、Cは債権を取得できない
  • B:Aがこの債権をDにも二重に譲渡し、C・Dへの譲渡につきいずれも確定日付ある通知がされた場合、優劣は確定日付の先後で決まる
  • C:譲渡制限特約についてCが悪意であっても債権譲渡は有効であるが、Bは、Cへの履行を拒み、Aへの弁済をもってCに対抗することができる
【第4問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。2020年改正により、譲渡制限特約に反する譲渡も有効である(466条2項)。旧法の物権的効力説からの大転換。
・B:不適切。二重譲渡の優劣は確定日付の先後ではなく、通知がBに「到達した日時」の先後による(判例)。
・C:適切。譲渡有効を前提に、悪意・重過失の譲受人に対する債務者の履行拒絶権・弁済対抗権で調整する構造である(466条3項)。【試験対策】「譲渡は有効・ただし悪意重過失者には履行拒絶できる」の二段構造+預貯金債権の例外(466条の5)まで。

関連過去問:R7,問31


重要度:A 論点:相殺

問5:相殺に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:悪意による不法行為に基づく損害賠償債務の債務者は、被害者に対する反対債権による相殺をもって被害者に対抗することができない
  • B:自働債権・受働債権とも弁済期が到来していなければ、いかなる場合も相殺することができない
  • C:差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え前に取得した債権であっても、その弁済期が差押え後に到来する場合には相殺をもって差押債権者に対抗できない
【第5問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。509条1号の相殺禁止である。被害者に現実の弁済を受けさせる趣旨。【試験対策】禁止されるのは加害者側からの相殺のみで、被害者側から(これらの債権を自働債権として)の相殺は可能。方向で正誤が変わる。
・B:不適切。受働債権(自己の債務)については期限の利益を放棄して相殺できるため、自働債権の弁済期が到来していれば相殺可能。
・C:不適切。差押え前に取得した債権であれば、弁済期の先後を問わず相殺を対抗できる(511条・無制限説の明文化)。

関連過去問:R5,問31


重要度:B 論点:特定物債権と種類債権

問6:種類債権に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:種類債権は、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了するなどして目的物が特定した後は、その物が債権の目的物となる
  • B:種類債権では、目的物が特定する前に債務者が手元に保有していた同種の物がすべて滅失すれば、他から調達することが可能であっても、債務者は当然に履行義務を免れる
  • C:特定物の引渡債務の債務者は、引渡しまで、自己の財産に対するのと同一の注意をもって目的物を保存すれば足りる
【第6問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。種類債権の特定(401条2項)である。【試験対策】特定の効果=「以後その物が目的物・善管注意義務の発生・危険の移転の基礎」。特定の方法(持参債務=現実の提供/取立債務=分離+通知)も次のステップで。
・B:不適切。種類債権では、目的物が特定する前に債務者の手元にある同種の物が滅失しただけでは、原則として他から調達して給付しなければならず、当然に履行義務を免れるわけではない。ただし、限定種類債権の場合や、種類そのものが消滅するなど、契約その他の債権の発生原因および取引上の社会通念に照らして調達が客観的に不能となった場合まで、履行不能が否定されるわけではない。【試験対策】「手元の商品が滅失した場合」と「種類自体の調達が客観的に不能となった場合」を区別する。
・C:不適切。特定物の引渡債務の債務者は「善良な管理者の注意」をもって保存する義務を負う(400条)。自己の財産と同一の注意で足りるのは無償寄託など。

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