行政書士 民法 初級編(7〜9問)|債権各論(法定債権)

重要度:A 論点:共同不法行為

問7:共同不法行為に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:共同行為者のうち、いずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときは、誰も責任を負わない
  • B:数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う
  • C:教唆者や幇助者は、自ら直接の加害行為をしていないため、共同行為者とはみなされない
【第7問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。加害者不明の共同不法行為でも、共同行為者全員が連帯責任を負う(719条1項後段)。被害者保護のための因果関係の推定である。
・B:適切。719条1項前段である。【試験対策】「共同不法行為=全額につき連帯(不真正連帯)」。寄与度による按分は被害者との関係では認められず、内部の求償で処理される。
・C:不適切。教唆者・幇助者は共同行為者とみなされる(719条2項)。

関連過去問:-


重要度:A 論点:事務管理

問8:隣人Aの留守中に台風でAの家の窓が割れたため、Bが頼まれていないのに応急修理をした。この場合に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:Bは、Aの意思に反することが明らかであっても、いったん開始した管理を継続しなければならない
  • B:Bは、Aに対し、事務処理への報酬を請求することができる
  • C:Bは、Aに対し、修理に支出した有益な費用の償還を請求することができる
【第8問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかであるときは、管理者は事務管理の継続義務を負わない(700条ただし書)。
・B:不適切。事務管理者に報酬請求権はない。相互扶助の好意による行為を法が追認する制度だからである。
・C:適切。事務管理者の費用償還請求権(702条1項)である。【試験対策】「費用償還○・報酬×・損害賠償請求も原則×」という管理者の権利の限定。管理開始の通知義務・管理継続義務(継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかなときは継続義務を負わない)もセットで。

関連過去問:R7,問46(記述)


重要度:A 論点:不当利得の基本

問9:不当利得に関する記述として適切なものはどれか。

  • A:不当利得返還請求権は、給付の原因となる契約関係が存在した当事者間には、契約の清算規定が優先するため成立する余地がない
  • B:善意の受益者であっても、その返還範囲は現存利益に限られることはなく、受けた利益の全額について、利益を受けた時からの法定利率による利息を付して返還しなければならないとされている
  • C:法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その利益の存する限度で返還の義務を負うが、悪意の受益者は利益に利息を付して返還し、なお損害があればその賠償もしなければならない
【第9問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不適切。契約が無効・取り消された場合の原状回復も不当利得の性質を持つ(121条の2)。契約関係の存在は不当利得の成立を妨げない。
・B:不適切。善意の受益者の返還範囲は現存利益に限られる(703条)。
・C:適切。703条・704条の対比である。【試験対策】「善意=現存利益/悪意=全額+利息+損害賠償」の返還範囲の差が基本。金銭の利得による利益は現存することが推定される(最判平3.11.19)点も。

関連過去問:R7,問34


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