重要度:A 論点:共有物の管理・変更
問4:A・B・Cが各3分の1の持分で建物を共有している。この建物の利用等に関する記述として適切なものはどれか。
- A:建物の形状を著しく変更する増改築は、持分の過半数を有するAとBの同意があれば行うことができる
- B:第三者が建物を不法占拠している場合、Aは単独で明渡しを請求することができる
- C:建物の不法占拠者に対する損害賠償請求は、各共有者が全額について単独で行うことができる
【第4問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。形状・効用の著しい変更は共有者全員の同意が必要である(251条)。過半数で足りるのは管理行為と軽微な変更。
・B:適切。不法占拠者への妨害排除・明渡請求は保存行為として各共有者が単独で行える。【試験対策】「変更=全員/管理=過半数/保存=単独」の3段構造に、令和3年改正の「軽微変更=過半数」を追加した4区分で整理。
・C:不適切。損害賠償請求は金銭債権として可分であるため、各共有者は自己の持分割合の限度でのみ請求できる(判例)。明渡し(不可分)との違いに注意。
関連過去問:-
重要度:A 論点:取得時効と登記
問5:BはA所有の土地を20年以上占有し取得時効が完成した。登記に関する記述として適切なものはどれか。
- A:時効完成前にAから土地を買い受けて登記を備えたCに対して、Bは登記がなければ時効取得を対抗できない
- B:時効完成後にAから土地を買い受けて登記を備えたCに対して、Bは登記がなくても時効取得を対抗できる
- C:時効完成前にAから土地を買い受けたCに対して、Bは登記がなくても時効取得を対抗できる
【第5問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。時効完成前の第三者は時効取得者にとって当事者に類似する地位に立つため、Bは登記なくして対抗できる。結論が逆。
・B:不適切。時効完成後の第三者との関係は二重譲渡類似の対抗関係となり、登記の先後で決まる(177条)。登記なしでは対抗できない。
・C:適切。判例の確立した準則である。【試験対策】「完成前=登記不要/完成後=登記必要」。さらに起算点は占有開始時に固定され、都合よくずらして『完成前の第三者』を作ることは許されない点まで問われる。
関連過去問:R5,問28
重要度:A 論点:物権的請求権
問6:A所有の土地上に、Bが無断で建物を建てて占有している。Aの請求に関する記述として適切なものはどれか。
- A:Aは、Bに対し、所有権に基づく妨害排除請求として建物収去・土地明渡しを請求することができ、Bの故意・過失は要件とならない
- B:Aの妨害排除請求が認められるためには、不法行為の場合と同様に、Bに故意又は過失があることが必要である
- C:物権的請求権は、民法に明文の規定があるため認められている
【第6問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。物権的請求権(返還・妨害排除・妨害予防)は相手方の故意過失を要しない。【試験対策】「物権的請求権=故意過失不要/不法行為の損害賠償=故意過失必要」の対比が核心。円満な物権支配の回復と、損害の填補という制度目的の違いから導かれる。
・B:不適切。故意過失は不法行為(709条)の要件であり、物権的請求権には不要。
・C:不適切。物権的請求権に直接の明文はなく、物権の排他的支配性や占有訴権の規定(197条以下)等から解釈上当然に認められている。
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