問1:婚姻および夫婦の財産関係に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。
- A:婚姻の届出がされていても、当事者間に社会観念上夫婦と認められる関係の設定を欲する意思がないときは、婚姻は無効である。
- B:夫婦の一方が日常の家事の範囲を超えて第三者と法律行為をした場合、第三者がその行為につき代理権があると信じたときは、110条が直接適用され、表見代理が成立する。
- C:婚姻中に夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、夫の財産と推定される。
- D:離婚に伴う財産分与は、それが不相当に過大であるか否かにかかわらず、詐害行為取消権の対象となることはない。
- E:夫婦の一方が婚姻前から有する財産は、婚姻により当然に夫婦の共有となる。
【第1問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】婚姻意思の意義(実質的意思説)
【考え方】
判例は、婚姻意思とは真に社会観念上夫婦と認められる関係の設定を欲する効果意思をいうとし、他の目的を達するための便法として届出をしたにすぎない場合は742条1号により無効とする。
【選択肢解説】
本肢は判例の立場のとおりであり、妥当である。
・B
【選択肢解説】
妥当でない。判例は110条の直接適用を否定し、「その行為が日常家事の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由」がある場合に限り110条の趣旨を類推適用する。
・C
【選択肢解説】
妥当でない。帰属不明の財産は夫婦の「共有」と推定される(762条2項)。
・D
【選択肢解説】
妥当でない。財産分与に仮託した財産処分と認められる特段の事情があるときは、不相当に過大な部分が詐害行為取消しの対象となりうる(判例)。
・E
【選択肢解説】
妥当でない。婚姻前からの財産は特有財産である(762条1項・夫婦別産制)。
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問2:親子に関する次の記述のうち、民法の規定(令和6年4月施行の改正を含む)に照らし、妥当でないものはどれか。
- A:妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定される。
- B:母が前夫との婚姻の解消後に再婚し、再婚後に子を出産した場合、その子は再婚後の夫の子と推定される。
- C:嫡出否認の訴えは、夫のみならず、子や母も提起することができる。
- D:特別養子縁組が成立すると、養子と実方の父母及びその血族との親族関係は原則として終了する。
- E:親権者と子との利益が相反する行為について、親権者が子を代理して行った行為は、当然に有効である。
【第2問:正解と解説】
正解:E
・A
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。772条1項の嫡出推定である。
・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。令和4年改正(令和6年4月施行)による再婚後の夫の子とする推定である。
・C
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。改正により否認権者が子・母等に拡大された。
・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。817条の9のとおりである。
・E
【論点】利益相反行為と特別代理人(826条)
【考え方】
利益相反行為について親権者の代理権は制限され、特別代理人の選任を要する。特別代理人によらずに親権者がした代理行為は無権代理となり、子が成年に達した後に追認しない限り効力を生じない。
【選択肢解説】
本肢は当然に有効としており妥当でない。よって本問の正解である。「無効」でも「有効」でもなく「無権代理」という中間の効果がポイント。
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