問3:離婚に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。
- A:協議上の離婚は、家庭裁判所の許可を得なければ、その効力を生じない。
- B:財産分与の請求権と離婚に伴う慰謝料の請求権は、法的性質を異にするものであり、財産分与がされた後であっても、その額等が精神的苦痛を慰謝するに足りないと認められるときは、別途慰謝料を請求することができる。
- C:離婚の際に夫婦の一方が過大な財産分与を受けた場合であっても、財産分与という法的性質を有する以上、詐害行為取消権の対象となることは一切ないとするのが判例である。
- D:裁判上の離婚の原因は、不貞行為と悪意の遺棄の2つに限られる。
- E:婚姻によって氏を改めた者は、離婚により当然に婚姻前の氏に復し、離婚後も婚姻中の氏を称し続けることはできない。
【第3問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】
妥当でない。協議離婚は当事者の協議と届出により成立し(763条・764条)、家庭裁判所の許可は不要である。
・B
【論点】財産分与と慰謝料の関係(最判昭46.7.23)
【考え方】
財産分与は清算・扶養を中心とする制度であり、慰謝料(不法行為による損害賠償)とは性質を異にする。財産分与に慰謝料的要素を含めることもできるが、分与額が精神的苦痛の慰謝に足りないときは、別途慰謝料請求が可能である。
【選択肢解説】
本肢は判例のとおりであり、妥当である。
・C
【選択肢解説】
妥当でない。768条3項の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分と認められる特段の事情があるときは、不相当に過大な部分について詐害行為取消しの対象となりうる(判例)。
・D
【選択肢解説】妥当でない。2026年4月1日施行の改正後、裁判上の離婚原因は、不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、その他婚姻を継続し難い重大な事由の4つである(770条1項)。改正前の4号であった「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」は削除された。
・E
【選択肢解説】
妥当でない。離婚の日から3か月以内に届け出ることにより、離婚の際に称していた氏を称し続けることができる(767条2項・婚氏続称)。
関連過去問:-
問4:養子縁組に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、妥当でないものはどれか。
- A:20歳に達した者は、養親となることができる。
- B:自己の尊属又は年長者を養子とすることはできない。
- C:配偶者のある者が未成年者を養子とするには、原則として配偶者とともに縁組をしなければならない。
- D:未成年者を養子とするには家庭裁判所の許可を要するのが原則であるが、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合には許可を要しない。
- E:特別養子縁組の離縁は、養親と養子の協議により、いつでもすることができる。
【第4問:正解と解説】
正解:E
・A
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。792条のとおり(令和4年の成年年齢引下げ後も養親年齢は20歳で維持)。
・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。793条のとおり。1日でも年長であれば不可。
・C
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。795条(夫婦共同縁組の原則)のとおり。
・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。798条のとおり。連れ子養子・孫養子は家裁の許可不要。
・E
【論点】特別養子縁組の離縁の厳格な制限(817条の10)
【考え方】
特別養子縁組は実親子関係に準じた安定した親子関係を作る制度であるため、離縁は、養親による虐待等があり、実父母が相当の監護をすることができる場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときに、家庭裁判所の審判によってのみ許される。協議離縁は認められない。
【選択肢解説】
本肢は協議による離縁を可能としており妥当でない。よって本問の正解である。普通養子(協議離縁可・811条)との最重要の対比である。
関連過去問:R2,問35
