問3:契約の解除および危険負担に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、妥当なものはどれか。
- A:催告による解除をするためには、債務者に帰責事由があることが必要である。
- B:債務の全部の履行が不能である場合、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
- C:解除権の行使により当事者双方に原状回復義務が生じた場合、受領した金銭を返還するときは、利息を付することを要しない。
- D:当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなった場合、債権者の反対給付債務は当然に消滅する。
- E:債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなった場合、債権者は、契約を解除することができる。
【第3問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】
妥当でない。2020年改正により解除に債務者の帰責事由は不要となった。
・B
【論点】無催告解除(542条1項1号)
【考え方】
全部の履行不能の場合、催告をしても履行の可能性がないため、債権者は催告なしに直ちに契約の全部を解除できる。無催告解除ができる場合(全部不能・明確な履行拒絶・定期行為・催告しても目的達成の見込みなし等)は542条に列挙されている。
【選択肢解説】
本肢は妥当である。
・C
【選択肢解説】
妥当でない。金銭を返還するときは、受領の時から利息を付さなければならない(545条2項)。
・D
【選択肢解説】
妥当でない。改正後の危険負担は履行拒絶権構成であり、反対給付債務は当然には消滅せず、債権者は履行を「拒むことができる」にとどまる(536条1項)。消滅させたければ解除による。
・E
【選択肢解説】
妥当でない。債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は解除をすることができない(543条)。
関連過去問:R5,問32
問4:請負および委任に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。
- A:注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなった場合において、既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、請負人はその部分について報酬を請求することができる。
- B:仕事の目的物の種類又は品質に関する契約不適合が、注文者の供した材料の性質によって生じた場合、請負人がその材料が不適当であることを知りながら告げなかったときを除き、注文者は担保責任を追及することができない。
- C:受任者は、委任が無償である場合には、自己の財産に対するのと同一の注意をもって委任事務を処理すれば足りる。
- D:委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができるが、相手方に不利な時期に委任を解除したときは、やむを得ない事由があった場合を除き、相手方の損害を賠償しなければならない。
- E:受任者は、委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者に対し、その費用の前払を請求することができる。
【第4問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。割合的報酬(634条・2020年改正で明文化)である。
・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。636条のとおり。注文者側の原因による不適合の責任追及の制限である。
・C
【論点】受任者の善管注意義務(644条)
【考え方】
受任者は、報酬の有無にかかわらず、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う。無償寄託(自己の財産に対するのと同一の注意で足りる・659条)との対比が頻出であり、委任は無償でも注意義務が軽減されない点に特徴がある。
【選択肢解説】
本肢は無償委任の注意義務を軽減しており妥当でない。よって本問の正解である。
・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。651条のとおり(任意解除権と不利な時期の解除の損害賠償)。
・E
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。費用前払請求権(649条)である。
関連過去問:R5,問33
