問1:AはBから新築建売住宅を購入して引渡しを受けたが、建物の主要部分に品質に関する契約不適合があることが判明した。次の記述のうち、民法の規定に照らし、妥当なものはどれか。
- A:Aは、不適合がAの責めに帰すべき事由によるものである場合であっても、履行の追完が可能である限り、Bに対して修補による履行の追完を請求することができる。
- B:不適合がAの責めに帰すべき事由によるものでない場合において、Aが相当の期間を定めて追完の催告をし、その期間内に追完がないときは、Aは不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
- C:Aが代金減額請求をするためには、不適合についてBに帰責事由があることが必要である。
- D:Aは、不適合を知った時から1年以内に訴えを提起しなければ、追完請求権を失う。
- E:この不適合を理由とする契約の解除は、目的物が建物であるため、することができない。
【第1問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】
妥当でない。不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、追完請求できない(562条2項)。
・B
【論点】代金減額請求の要件(563条)
【考え方】
代金減額請求は原則として催告型であり、相当期間を定めた追完の催告と期間内の追完がないことを要する。追完不能、売主による明確な追完拒絶、定期行為における履行時期の経過、催告しても追完される見込みがないことが明らかな場合は、催告なしに減額請求できる。代金減額請求に売主の帰責事由は不要であるが、不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときは、買主は代金減額を請求できない(563条3項)。
【選択肢解説】
本肢は、買主に帰責事由がないことを前提として563条1項の要件を満たしており、妥当である。
【記述式連結】この論点は記述式モジュール(07_02_04)問3「代金減額請求の要件」で40字記述として再出する。択一で判別できた知識を、条文の要件・判例の規範として自分の言葉で書き出せるかまで仕上げること。
・C
【選択肢解説】
妥当でない。代金減額請求に売主の帰責事由は不要である。ただし、不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときは、買主は代金減額を請求できない(563条3項)。売主の帰責事由が必要となるかという問題と、買主の帰責事由による権利制限とを区別する。
・D
【選択肢解説】
妥当でない。1年以内に必要なのは不適合の「通知」であり(566条)、訴え提起や権利行使までは不要である。
・E
【選択肢解説】
妥当でない。旧法635条ただし書(建物等の解除制限)は改正で削除され、建物でも要件を満たせば解除できる。
関連過去問:-
問2:建物の賃貸借に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。
- A:建物賃貸借が対抗要件を備えている場合に、その建物が譲渡されたときは、賃貸人たる地位は、原則として建物の譲受人に移転する。
- B:建物の譲受人が賃借人に対して賃料を請求するためには、建物について所有権移転登記を備えなければならない。
- C:賃貸借終了時の敷金返還債務と賃借人の建物明渡債務とは、同時履行の関係に立つ。
- D:賃借人が賃貸人の承諾を得て建物を転貸した後、賃貸借が賃借人の債務不履行により解除された場合、賃貸人は転借人に対して建物の明渡しを請求することができる。
- E:賃借物の一部が賃借人の責めに帰することができない事由により使用収益できなくなった場合、賃料はその部分の割合に応じて当然に減額される。
【第2問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。605条の2第1項のとおり、賃貸人たる地位は当然に移転する。
・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。605条の2第3項のとおりである。
・C
【論点】敷金返還と明渡しの先履行関係
【考え方】
敷金は明渡しまでに生じる一切の債務を担保するため、敷金返還債務は「賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき」に発生する(622条の2第1項1号)。したがって明渡しが先履行であり、同時履行の関係に立たない(判例法理の明文化)。
【選択肢解説】
本肢は同時履行としており妥当でない。よって本問の正解である。
【記述式連結】この論点は記述式モジュール(07_02_04)問1「敷金返還と明渡しの先履行関係」で40字記述として再出する。択一で判別できた知識を、条文の要件・判例の規範として自分の言葉で書き出せるかまで仕上げること。
・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。債務不履行解除は転借人に対抗でき、明渡請求時に転貸借は履行不能により終了する(判例)。
・E
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。611条1項の当然減額の規律である。
関連過去問:R2,問33
