行政書士 民法 応用編(5〜6問)|親族

問5:認知および親権に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  • A:父は、胎内に在る子を認知する場合であっても、母の承諾を得る必要はない。
  • B:認知をした父は、その認知が真実に反する場合であっても、自らこれを取り消すことができない。
  • C:成年の子を認知するには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
  • D:認知の訴えは、父の死亡後は、その死亡の日から1年以内に限り提起することができる。
  • E:親権者である父母が共同して親権を行う場合、父母の一方が、共同の名義で、他の一方の意思に反して子の財産に関する法律行為をしたときは、その行為は、相手方の善意悪意を問わず、常に無効である。
【第5問:正解と解説】

正解:B

・A
【選択肢解説】
妥当でない。胎児の認知には母の承諾が必要である(783条1項)。母の名誉・利害と認知の真実性確保の趣旨。

・B
【論点】認知の取消しの禁止(785条)

【考え方】
認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。ただし判例・通説は、血縁上の親子関係がない場合に認知無効の主張(786条)をすることは785条によって妨げられないと解している(認知者自身による無効主張を認めた判例あり)。「取消し不可・無効主張は別問題」という整理である。

【選択肢解説】
本肢は785条のとおりであり、妥当である。

・C
【選択肢解説】
妥当でない。成年の子の認知に必要なのは「その承諾」であり(782条)、家庭裁判所の許可ではない。扶養目当ての身勝手な認知から成年の子を守る趣旨。

・D
【選択肢解説】
妥当でない。認知の訴えは父の死亡の日から「3年」を経過するまで提起できる(787条ただし書)。

・E
【選択肢解説】
妥当でない。共同名義でされた行為は、他の一方の意思に反していても、相手方が悪意でない限り効力を妨げられない(825条)。取引の相手方保護の規定であり、「常に無効」ではない。

関連過去問:R7,問35


問6:後見および扶養に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、妥当でないものはどれか。

  • A:未成年者に対して最後に親権を行う者は、管理権を有しない場合を除き、遺言で未成年後見人を指定することができる。
  • B:成年後見人が、成年被後見人に代わってその居住の用に供する建物を売却するには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
  • C:扶養を受ける権利は、他人に譲渡することができるが、差押えの対象とはならない。
  • D:直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
  • E:後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。
【第6問:正解と解説】

正解:C

・A
【選択肢解説】妥当である(=正解肢ではない)。未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で未成年後見人を指定することができる。ただし、その者が財産の管理権を有しない場合は、未成年後見人を指定することができない(839条1項)。

・B
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。859条の3のとおり。売却・賃貸・抵当権設定等の処分に家裁の許可を要する。

・C
【論点】扶養請求権の処分禁止(881条)

【考え方】
扶養を受ける権利は、扶養権利者本人の生存を確保するための一身専属的な権利であり、処分(譲渡・放棄等)することができない。譲渡可能とする本肢は881条に反する。

【選択肢解説】
本肢は譲渡可能としており妥当でない。よって本問の正解である。

・D
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。877条1項のとおり(特別の事情があるときは家裁は三親等内の親族間にも扶養義務を負わせることができる・同2項)。

・E
【選択肢解説】
妥当である(=正解肢ではない)。844条のとおり。

関連過去問:H30,問35


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