重要度:A 論点:3条・4条
問10:国家賠償法3条・4条に関する記述として適切なものはどれか。
- A:公務員の失火による損害については、失火責任法が適用され、公務員に重大な過失があることが必要である
- B:公務員の選任監督者と給与の費用負担者が異なる場合、被害者は費用負担者に対して損害賠償を請求することはできない
- C:国家賠償法4条により、国家賠償責任には民法の規定が適用されることはない
【第10問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。最判昭53.7.17である。【試験対策】4条の「民法」に失火責任法などの附属法令も含まれるという判例。重過失が要求される結果、軽過失の消防活動ミス等では責任が否定されうる。
・B:不適切。費用負担者「もまた」責任を負い(3条1項)、被害者はいずれにも請求できる。
・C:不適切。4条はむしろ「民法の規定による」ことを定めており、過失相殺・消滅時効等の民法規定が適用される。
関連過去問:R3,問20
重要度:B 論点:加害公務員の特定
問11:国家賠償法1条の適用に関する記述として適切なものはどれか。
- A:国家賠償請求が認められるためには、加害行為をした公務員が個人として特定されることが常に必要である
- B:一連の行為のいずれかに行為者の故意過失による違法行為があったのでなければ損害が生じなかった関係にある場合、加害公務員やその行為を特定できなくても、国又は公共団体は責任を負うことがある
- C:複数の公務員が関与した損害については、国家賠償責任は成立しない
【第11問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。判例は加害公務員の特定を常には要求しない。
・B:適切。最判昭57.4.1(税務署健康診断事件)の法理である。【試験対策】「誰の行為かは特定できなくても、一連の行為が同一の行政主体の公務員によるものであれば賠償責任を認めうる」。組織的過失の考え方につながる重要判例。
・C:不適切。複数関与の場合でも成立する。
関連過去問:R5,問21
重要度:B 論点:司法作用と国賠
問12:裁判官・検察官の行為と国家賠償に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:裁判官がした争訟の裁判は、上訴等で是正されるべき瑕疵があれば、直ちに国家賠償法上違法となる
- B:無罪判決が確定した場合、その公訴の提起は当然に国家賠償法上違法となる
- C:裁判官の裁判が国家賠償法上違法となるのは、違法又は不当な目的をもって裁判をしたなど、権限の趣旨に明らかに背いて行使したと認めうる特別の事情がある場合に限られる
【第12問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。上訴による是正の途があるため、瑕疵の存在だけでは違法とならない。
・B:不適切。公訴提起時に合理的な判断過程により有罪と認められる嫌疑があれば、無罪確定でも違法とならない(最判昭53.10.20)。
・C:適切。最判昭57.3.12の「特別の事情」の枠組みである。【試験対策】「裁判=特別の事情/公訴提起=合理的な嫌疑/立法=例外的な場合」と、国家作用ごとの違法のハードルの高さを並べて覚える。
関連過去問:-
