行政書士 行政法 初級編(7〜9問)|国家賠償法・損失補償

重要度:A 論点:国賠法1条の「違法」

問7:国家賠償法1条の違法性判断に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:課税処分が取消訴訟で取り消された場合、その処分は国家賠償法上も当然に違法と評価される
  • B:税務署長が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くして課税処分をした場合、その処分が後に取り消されたとしても、国家賠償法上は違法の評価を受けない
  • C:国家賠償法上の違法性は、専ら処分の客観的な法適合性のみによって判断される
【第7問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。取消訴訟の違法と国賠の違法は別個に判断される(違法性の相対性)。
・B:適切。職務行為基準説(奈良税務署推計課税事件・最判平5.3.11)である。【試験対策】「取り消された=国賠でも違法」ではない、という結論の意外性が出題ポイント。公務員の行為規範違反の有無で判断する。
・C:不適切。職務行為基準説は、客観的な法適合性ではなく、公務員が職務上の注意義務を尽くしたかを基準とする。

関連過去問:R4,問20


重要度:A 論点:立法行為と国賠

問8:国会議員の立法行為と国家賠償に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:在外邦人選挙権訴訟判決は、在外国民の投票を可能にする立法措置を長期にわたり怠ったことについて、国家賠償請求を認容した
  • B:立法の内容が違憲であれば、国会議員の立法行為は直ちに国家賠償法上違法となる
  • C:立法行為が国家賠償法上違法と評価されることは、理論上あり得ない
【第8問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:適切。最大判平17.9.14は立法不作為について実際に賠償を認めた稀有な例である。【試験対策】在宅投票制事件(原則:違法となるのは例外的場合のみ)→在外選挙権訴訟(例外の具体化・認容)という判例の流れで覚える。
・B:不適切。立法内容の違憲と立法行為の違法は区別される(職務行為基準)。
・C:不適切。例外的な場合には違法となりうるし、現に認容例がある。

関連過去問:-


重要度:A 論点:道路管理の瑕疵

問9:道路の設置管理の瑕疵に関する判例の説明として適切なものはどれか。

  • A:故障した大型車両が国道上に87時間放置されていた事案では、道路管理者に時間的余裕がなかったとして瑕疵が否定された
  • B:工事標識・赤色灯が事故の直前に他車に倒され、原状回復の時間的余裕がなかった事案では、道路管理に瑕疵はないとされた
  • C:道路管理の瑕疵の有無は、管理者の予算の多寡によって決まる
【第9問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:不適切。87時間放置事件では、長時間の放置を認識し得たのに何ら措置を講じなかったとして瑕疵が肯定された。事案と結論の入れ替え。
・B:適切。赤色灯転倒事件(最判昭50.6.26)である。【試験対策】「87時間=瑕疵あり/直前の転倒=瑕疵なし」の対比は、回避可能性(時間的余裕)の有無で結論が分かれることを示す最重要ペア。
・C:不適切。予算措置の困難は免責事由にならない(高知落石事件)。

関連過去問:R5,問20


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