重要度:A 論点:通達
問13:通達に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:通達は法規たる性質を持たないため、裁判所は通達に示された法解釈に拘束されない
- B:通達に違反してされた行政処分は、そのことだけで当然に違法となる
- C:通達により国民の権利義務に事実上の影響が生じる場合、通達は常に取消訴訟の対象となる
【第13問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。通達は行政組織内部の命令であり、国民も裁判所も拘束しない(墓地埋葬通達事件)。【試験対策】「内部では拘束(公務員は従う義務)・外部では拘束しない」の内外区別が核心。通達課税の適法性も「通達の内容が法の正しい解釈に合致するか」で判断される。
・B:不適切。通達は法規ではないため、通達違反は直ちに処分の違法をもたらさない(法令に適合していれば適法)。
・C:不適切。通達は原則として処分性が否定される(墓地埋葬通達事件)。事実上の影響では足りない。
関連過去問:R3,問25
重要度:A 論点:不可争力と不可変更力
問14:行政行為の効力に関する記述として適切なものはどれか。
- A:不可争力が生じた行政行為は、行政庁も職権で取り消すことができなくなる
- B:不可変更力は、審査請求の裁決などの争訟裁断的な行政行為に認められる効力である
- C:不可争力は、すべての行政行為に当然には生じない特殊な効力である
【第14問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。不可争力は私人の側からの争訟を遮断する効力であり、行政庁の職権取消しは妨げられない。
・B:適切。不可変更力は紛争を裁断した行為を行政庁自身が覆せなくする効力で、争訟裁断行為に固有である。【試験対策】「不可争力=全行政行為・私人側の制限/不可変更力=裁断行為のみ・行政庁側の制限」と主体×範囲の2軸で対比。
・C:不適切。不可争力(形式的確定力)は不服申立期間・出訴期間の経過により、行政行為一般に生じる。
関連過去問:R7,問8
重要度:A 論点:無効と取消し
問15:行政行為の無効に関する判例の説明として適切なものはどれか。
- A:行政行為の瑕疵が重大かつ明白である場合、その行政行為は無効となる
- B:無効の行政行為であっても、出訴期間内に取消訴訟で争わなければ、以後一切争えなくなる
- C:課税処分については、いかなる場合も瑕疵の明白性が要求される
【第15問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。重大明白説である。明白性は外観上一見して看取しうるかで判断(外観上一見明白説)。【試験対策】無効なら「公定力なし・不可争力なし・出訴期間なし」という効果の連鎖で覚える。
・B:不適切。無効の行政行為には不可争力が生じないため、出訴期間経過後も無効等確認訴訟や現在の法律関係に関する訴えで争える。
・C:不適切。「いかなる場合も」が誤りである。最判昭48.4.26は、課税処分の内容上の過誤が課税要件の根幹に関するものであり、徴税行政の安定と円滑な運営の要請を考慮しても、不可争的効果の発生を理由に被課税者へ不利益を甘受させることが著しく不当と認められる例外的事情がある場合には、その瑕疵は処分を当然無効にするとした。したがって、課税処分一般について明白性が不要なのではなく、この厳格な例外要件を満たす場合に、瑕疵が明白でなくても無効となり得る。
関連過去問:R6,問8
